Webの拡散によってアクションへの企画と工夫を

omura 2017/09/01

柏原市で初のクラウドファンディング勉強会を開催

最近、事業の資金調達として注目されている「クラウドファンディング」。

すでにWeb上では浸透しているところですが、実際に話を直接聴いたことはない人も多いように聴きます。そこで、「柏原市を盛り上げたい!クラウドファンディング勉強会」が、8月30日に柏原市大正にあるKIホールにおいて開催されました。

 

クラウドファンディング会社の1つFAAVO大阪と柏原市によって実施されたもので、日頃から課題解決などで資金づくりに関心を持つ人たち50名ほどが参加。

 

第1部では、「クラウドファンディングって何?」と題し、FAAVO大阪販売営業部マネージャーの酒匂さんから、実際のデータを示しながら講演がありました。(独自の内容のため、実データなどは割愛)

 

柏原市でクラウドファンディング勉強会

 

自身の紳士服で卸売やネットショップを運営し、代表の川辺さんとともに「真田幸村スーツ」で資金を調達した経験などを踏まえ、クラウドファンディングについての特徴を説明。

 

クラウドとは「群れ・群集」、ファンディングは「資金調達」を意味し、クラウドファンディングとは、事業に共感した人々から広く資金を調達するWeb(インターネット)における仕組みです。

 

これには募集期限と目標額があり、締切までに目標額が到達しないと成立しない(返金する)「All or Nothing」の方式を、FAAVO大阪では採用しています。それとは別に 達成しなくても成立する All In 方式もあり、クラウドファンディング会社によってその方法は様々。

 

また、同様に、寄付型か購入型かという支援者の方法にも種類があります。寄付型については支援者は完全に寄付のみ(福祉事業に多い形式)、購入型は支援者の額に応じて品物を送付するなどの返礼をするもの。

 

その上で、FAAVO大阪における特徴的な成功例として「ジンベエザメのベロタクシーで築港天保山の課題解決」というプロジェクトで62万9000円を集めた実例が報告されました。海遊館周辺の地域観光の課題解決として始めたベロタクシー(自転車タクシー)に対し、いかに共感と注目を集めたのかが述べられました。

 

他にはアレルギーのある人に対するお好み焼きを提供する「グルテンフリープロジェクト」なども。

 

柏原市でクラウドファンディング勉強会

 

その他、挙げられたなかで印象に残った部分を挙げると、

 

・チャレンジ開始 → Web・SNSにおける身近な支援者 → その友人・知り合い → クラウド(多くの人々)への流れをしっかり検討する。いかにクラウドを見つけるかのファウンド(FOUND)も重要。初期段階における共感者の数と率が大切。

 

・Web・SNSにおける拡散度の高さは、思わぬ「お墨つき」をいただくこともある(真田幸村スーツにおけるエピソード)

 

・メディアに取り上げられることがあり、東京のテレビ番組出演も(柏原市でクラウドファンディングを実施した 注染手ぬぐいChillの例)

 

・Webに強い人がチームにいること、チームづくり、発信することの大切さ

 

・返礼品が良い内容だからと言って、支援金が集まるわけではない → 共感する人を巻き込む力が必要

 

・他のモノマネのようなプロジェクトは目立たない。先行事例にないオリジナリティが求められる

 

・「応援する」という言葉をもらうだけでなく、実際にアクションへ結びつける(投資する)ための工夫が求められる

 

これらに基づき、FAAVO大阪では成功へ導くためにスタート時点からのコンサルティングを行います。そのため成功報酬として手数料20%をいただくそうです。募集終了後もメディア掲載などの効果が高いケースもあるため それらを広告費として考えると手数料で十分元を取れることもある、としています。

 

第2部では、柏原市の先行事例として、

大阪スカイハイヴィンヤード代表の祐田さん、奥野ぶどう園代表の奥野さんからの経験談が語られました。

他社を利用した祐田さんからは、「地球温暖化対策」「廃棄物のリサイクル」の社会問題解決の観点から、屋上ワイナリー「大阪スカイハイヴィンヤード」を立ち上げられました。それぞれの技術で優れる専門業者との折衝や、外国での勉強などを行うなか、その資金づくりにクラウドファンディングを採用しました。

 

柏原市でクラウドファンディング勉強会

 

祐田さんにとっては、柏原市よりも市外・府外の人たちに広く認知されることを目的としたことによって(柏原では発信しなかった)、支援者のほとんどは大阪以外の人たちだったそうです。

 

また、従来の創業補助金との違いを取り上げ、補助金においてはその計画書作成や審査が、何年もかかるぶどうづくりには向かなかったことへの気づきがあった。そのためクラウドファンディングを使った、とのことでした。

 

 

次に、FAAVO大阪でプロジェクトを成功した奥野さんより。

 

柏原市でクラウドファンディング勉強会

 

奥野さんの奥野ぶどう園(カネオク)は、明治36年に創業したぶどう園の四代目。今年(2017年)1月には若手農家のビジネスグランプリコンテスト「大阪No-1(のうわん)グランプリでグランプリを受賞。FAAVO大阪では「耕作放棄地開拓のお手伝いから始めるオーナー制ワイン園プロジェクト」に挑みました。

https://faavo.jp/osaka/project/2013

ぶどうづくりでは朝5時起きが日常。丸一日夏の暑いときも雨の日も働く状況のなかで、プロジェクト立ち上げからのクラウドファンディングのサポートは助かったと言います。

 

その上で奥野さんの気づきとしては、メディア効果が非常に高かったことが強く述べられ、FAAVO大阪も知らないうちに3社の大手新聞社からの取材があったそうです。これから掲載される新聞記事もあり、クラウドファンディングによって問い合わせが予想以上に上回る効果が生まれている。今後の責任も大きく感じている、とのことでした。

 

最後に短時間ではありましたが、簡単なワークショップと質疑応答が行われ、起業家が集まるシェアハウスをつくりたいという大学生、古民家で交流人口の増加をめざすために一般社団法人を若い世代で立ち上げたグループからの質問も。

 

FAAVO大阪の酒匂さんからは「リターンの考え方は自由であって、必ずしもモノではなく楽しめる体験型サービスであってもいい」との回答もあるなど、活発なコミュケーションが行われるなか、最終的に予定時間を上回る熱気あふれる内容となっていたのが印象的でした。

 

 

追記)

ちょうどこの記事原稿を綴っていた最中に、「柏原市注染てぬぐいの復活&継承!オリジナルてぬぐいブランドを立ち上げる!」として、クラウドファンディングを実施したもうひとつの事例である「手ぬぐいCHILL」さんから 偶然にも返礼のオリジナルワインが届きました。

https://faavo.jp/osaka/project/1848 

カタシモワイナリーのワインラベルが「注染てぬぐい」の生地となっているんですね。見た目の味わいもあり、柏原の伝統が融合した希少なワインにも思えます。

 

手ぬぐい生地の柏原ワイン

 

講義終了後、FAAVO大阪の酒匂さんと名刺交換させていただいた際、「遊び心も大切なんでしょうか」と聞いたところ、「本当にふざけたらダメですけど、『真面目にふざける』ことは大切だと考えています」という言葉をいただいたことを思い出しました。

 

これまでの活動と交流のなかの聴き取りで、稼ぐことの苦労はよく理解しています。が、購入型で共感してもらうためには 単に真面目なスタイルだけでは人々の心に訴えないこともあるようにも思えました。(寄付型ではどのような事業によって誰のために効果があるのか、その体制づくりと効果がより問われるのでしょう。)

私自身もチームワークや仕組みづくりの再検討としても、あらためて勉強となった次第です。

 

また、余談になりますが、この講義自体も有料制で開催され、ある種のクラウドファンディング形式(返礼が講義)が取られていたのも興味深いところでした。

 

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