「笑顔で舞い、嵐を呼ぶ女」江口舞さんに聴く(1)

omura 2017/11/15

江口舞インタビュー

 

第17回全国障害者スポーツ大会「愛顔つなぐえひめ大会」のアーチェリー競技で1位に輝いた江口舞さん。

 

大会はいつも雨や台風となるため、コーチからは「嵐を呼ぶ女やなあ」と言われているそうです。そのような理由で、自身のキャッチフレーズを「笑顔で舞い、嵐を呼ぶ女」に。今回の試合でも天候のコンディションが悪いなかでの競技となりました。

 

24時間テレビにおいて槍ヶ岳登山に挑戦。登頂したことで注目を浴びた江口さんが、TV出演までどのような状況のなかで日々を過ごしてきたのか。また、登山後の心境の変化についてなど、その胸の内をお聴きしました。 (聴き手・おおむら)

 

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------   この度はおめでとうございます。

 

「ありがとうございます。ちょうど10月29日に台風22号が最接近して警報が出たため、午後からの競技が中止になった結果だったのですが、点数があまり出なくて反省点は多いですね。

 

種目はリカーブ、距離は30mをダブルラウンドで行うものです。普段は36本で300点は出るのですが、264点で終わってしまいました」

 

(※江口さんが出場したのは「アーチェリー・リカーブ30mダブルラウンド」。 リカーブとは弓の形式。今回は2つのラウンドで72射を行い、各360点(計720)満点での合計得点を競う内容でした)

 

 

------   風が計算できなかったとか?

 

「風が強いのもありましたけど、それよりも寒くて。『寒さで体が硬くなるとダメやで』っていうのは言われたのですが、今回は国体用のユニフォームが決まっていることもあり、用意していた服が雨のために使えなくなってしまった誤算がありました。中に着込むと撃つ際に服に当たってしまうこともあるので、難しいです。

 

最初、大会新記録の643を目標に臨んだんですよ。前半で340、後半で350を出したかったんですが、まだまだ練習を積み重ねなければいけないな、という段階ですね」

 

 

------   こうしてお話をお聴きしていても思うのですが、皆さんから「江口さんはしっかりしている」という声をよく聴きます。

 

「そう言われますけど、しっかりしてないですよ。スケジュール管理などはあまり得意でなくて。変なところで几帳面なこともありますし、友達同士だったらへらへらしてますけどね(笑)」

 

 

------   テレビに出られてから、勝手な江口舞像みたいなのができている気がしますが、そのあたりはどう思っているのですか。

 

「ああ・・・ネット情報は違うこともありますね。でもホントの私を見てくれている人はちゃんと見てくれているので、それほど気にしていません」

 

 

------   その後 周囲の変化はありましたか。

 

「いい面でいえば 仕事が増えました。 勤務先の学校で授業もさせてもらえることになったり、講演のご依頼も増えました。11月12月も予定がいっぱいです」

 

 

------  タレント並みですね(笑) 

 

「いや、そんなことはないです(笑)」 

 

 

アーチェリー江口舞さんに現在の心境を聴く(1)

 

 

------   今回お話をお聴きするにあたって、これまでに掲載された新聞や広報かしわらにあらためて目を通したのですが、この頃の状況はどんな感じだったのですか。

 

「昨年(2016年1月)新聞で紹介された頃は、興味があったアーチェリーを始めて間もない時期でした。そのあと話がポンポン進み出して(笑)

 

当たらず、距離も撃てないと、楽しくなくなりかけたこともありましたけど、当たるようになってきてからは、楽しくなっています」

 

 

------   それから、広報かしわら(2016年8月号)でも紹介された、と。

 

「そんな流れが来たんですね。でも、流れに身をまかせても、『やらねばならないことは、やらないと』と思うし、曲げられないことは曲げられないと思ってます。」

 

 

 

------   その姿勢が「しっかりしてる」ってことなんじゃないかと。

 

「芯は持ってますね。それに自分の直感を信じるタイプで。24時間テレビを受けたときもそうでした。本当はしっかりしてないんですよ。まわりにサポートしていただいているから、しっかりしてるように見えてるだけで・・・感謝しています」

 

 

 

------   24時間テレビまでの経緯についてお聴きしたいのですが、私には昨年の広報かしわら掲載から、今年の8月までの間にどこかしら変化があったように思えるのです。

 

「あ、この期間に、大きな手術をしたんですよ。骨が成長して皮膚を突き破ると言われて・・・ 少し触れるくらいで脚がとびあがるくらいの痛みもあったんです。左大腿部からの皮膚移植と、マイクロサージェリー※ を行いました」

 

(※マイクロサージェリー:移植先で血管や神経の吻合〔ふんごう:分離している血管や神経を接続すること〕)

 

 

------   かなりの手術だったんですか。

 

「1回目の手術は10時間かかりました。手術後、血管に通ってくる血の量の割合が低くなってきて。先生から『何も食べてないから 食べなさい』と言われているうちに、再手術が決まって。結局、大きな手術を2回 デブリードマン※を約3回、半年入院していました」 

(※デブリードマン:感染や壊死した組織を除去し、他の組織への影響を防ぐ外科処置)

 

 

------   広報かしわら8月号だと、おそらく取材は6月くらいですよね。

 

「あ、そうですね、その直後の6月24日が手術でした。記事には進学のことがあるんですけど、大学をあきらめるどころか、進学を決めていた専門学校も行けなくてなってしまって。入学金なども振り込んでたんですけど、次の年もまだ脚の状態がどうなるのかわからなくて…」

 

 

------  そんなことがあったんですね。退院は?

 

「昨年の冬にようやく。退院できて、そろそろ何かしたいな、働きたいな、と思って、ハローワークへ行きました。

 

でも、ハローワークの窓口で職員さんが直接電話をしていただくのですが、義足じゃないなら…などの理由で、すべて断られて。やっぱりか・・・と」

 

 

→ その後、24時間テレビの依頼を受け、江口さんはどう変わったのか。(つづきます)

 

 

 

 

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