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介助犬って、ご存知ですか?

介助犬のひろば in 柏原 2016

肢体不自由者の自立と社会参加を促す介助犬の認知度を高めるため、講演・プログラム「介助犬のひろば in 柏原 2016」が、2月27日(土)に開催されました。(主催:柏原市社会福祉協議会+川村義肢株式会社 / 後援:大阪府・柏原市・柏原市教育委員会・柏原市民生・児童委員協議会・柏原市障害者自立支援協議会)

盲導犬・介助犬・聴導犬を総称して「身体障害者補助犬」と呼ばれます。いずれも身体障がい者の自立と社会参加を促進することを目的としており、「身体障害者補助犬法」と呼ばれる法律の整備も行なわれていますが、社会的理解における課題があるのが現状です。特に、介助犬については全国でまだ73頭(2016.2.1 現在)。盲導犬と比べて普及と認知が進んでいません。

身体障害者補助犬法―ほじょ犬 厚生労働省

はじめに、主催者・来賓より自ら手話をまじえた自己紹介であいさつ。、柏原市社会福祉協議会 松永会長からは、身体障害者補助犬の現状や課題などを中心に、「介助犬などの身体障害者補助犬への理解が広く得られるよう、学べるプログラムを用意しました。これを機に、地域の人たちとともに さらなる福祉のまちづくりを進めて参りたい」と、趣旨説明がありました。

介助犬のひろば in 柏原 2016

また、川村義肢株式会社 川村代表取締役からは「あきらめない気持ちを大切にした社の事業が、地域社会の一助となれると嬉しい限りです」と、ごあいさつ。  さらに、来賓の中野柏原市長からは、「駅のバリアフリー化をはじめ、防災時、障がいのある方々へのサポートなども市としても後援し、力を入れています」と、行政における取り組みについての説明がありました。

介助犬のひろば in 柏原 2016 介助犬のひろば in 柏原 2016

第一部は、介助犬に関して、訓練から普及活動まで手広く取り組みを実施している 社会福祉法人日本介助犬協会から、講演とデモンストレーション「補助犬ってどんな犬?」を。

補助犬には、視覚障がい者を支える盲導犬、聴覚障がい者のための聴導犬があり、介助犬とは身体が不自由な人の手と足の代わりとなるよう、お手伝いをするための犬を呼びます。

「介助犬は、特別な訓練と適正評価を重ねており、またその性格の温和さや集中力など、様々な方向から介助犬への適正も見極めています」と、育成にかかわる細かなチェック体制の説明。

介助犬のひろば in 柏原 2016 介助犬のひろば in 柏原 2016

その上で、障がい者の自立や社会参加、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の充実、負担軽減などの役割が果たされています。介助者(家族やヘルパー)の肉体的な負担の軽減に加え、障がい者の方が家族やヘルパーに何度も同じ事を頼まなければならないという精神的な負担の軽減にも役立っているそうです。

その後、実際に介助犬がどのような働きをしているのか、デモンストレーションが行なわれました。

介助犬のひろば in 柏原 2016
▲脱衣介助 (靴、靴下を脱がす)

 

デモンストレーションでは、鍵を落とした際、携帯電話を手元に持ってくる、靴や靴下を脱がす、冷蔵庫を開け閉めもきちんと行なったうえでの飲料水の取り出しなど、細部にわたって介助犬が訓練されていることが披露されました。

介助犬のひろば in 柏原 2016

介助犬のひろば in 柏原 2016
▲冷蔵庫からの取り出し(ドアを開けて閉めるまで)

 

締めくくりとして、実際に介助犬とともに生活している方からの声も聴くことができました。最初は「自分の障がいの程度と向き合うことができず、介助犬がどれだけ生活の支えとなるのかという不安も抱えていた」そうです。

介助犬のひろば in 柏原 2016

が、徐々に介助犬の存在を再認識し、意思疎通ができることの喜びを実感するなかで、介助犬と協力することで、介助者がおらずともできることが増えていきました。その結果、日々の生活にも張りが出てきて、外出が多くなってきたことなどが語られました。

 

日本介助犬協会の方の話によると、本来は障がい者の方個々にあわせた、オーダーメイド的な訓練を行い、介助犬を育成していくが、今回の「スリッパを履くこと」については、当事者独自で介助犬とのコミュニケーションを積んで生まれた、新しい介助だったそうです。 その積極性には驚きと嬉しさがあったとのこと。

ただし、実際には飲食店などの入店拒否の課題があり、そのようなやり取りが店内で繰り広げられることも珍しくありません。一度対応していただいたお店でも、対応する人や時期によっても違いがあるそうです。

お店における対応の統一も望まれますが、大切なのは「お互いが気持ちのいい、笑顔の生まれる社会であってほしい」ということが強調されました。

 

介助犬のひろば in 柏原 2016

解決のひとつとして指摘があったのは、「第三者の方の声かけ」。

お店側が「他のお客様が困りますので」と断られる、というケースがあります。もし、近くに皆さんが客の立場で入店していた場合は、「私ならだいじょうぶですよ」と一言、声をかけていただければ、それだけで解決することがあります。

 

また一方では、介助犬がかわいいからといって安易に触れたりしない(介助犬が本来の働きができなくなることがあるため)など、「やさしい無視」も必要とのこと。

このように、社会での課題も残る介助犬ですが、今回のような講演を聴いていただくことで、「ぜひ皆さんにも介助犬についての知識をご友人に少しずつ広めてほしい」と最後にお願いがありました。

介助犬のひろば in 柏原 2016

 

第二部では、ピアカウンセラー(ピアセンター相談員)からの講演会が行なわれました。

介助犬のひろば in 柏原 2016

・肢体障がい者のピアカウンセラー坂野さんからは、例え駅にエレベーターがあっても、自転車などが無造作に置かれることで車椅子ではたどり着けない、また、歩道に片輪乗り上げて駐車されることで、車椅子が通れるだけの幅が足りなくなってしまう経験談が語られました。

そんななか、最も大切に考えているのは「心のバリアフリー」。 例えば、学校における地域活動を通して生徒たちからあいさつしてもらえることの嬉しさが語られました。

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介助犬のひろば in 柏原 2016

・視覚障がい者のピアカウンセラー西野さんからは、「視覚障がい者は耳の感覚、足の感覚で歩いています」と、点字ブロックが、路上駐車の状況によって途絶えてしまって場所がわからなくなること、さらに盲導犬は「色の識別ができない」ので、視覚障がい者にとっては、信号における「音」の設置が重要であることが語られました。

また、第一部の介助犬と同様、盲導犬でも同じような課題があると説明。知らない人が安易に引っ張ると、いつもと違う命令によって犬がパニック状態になるので、心やさしい対応のお願いもありました。

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介助犬のひろば in 柏原 2016

・聴覚障がい者のピアカウンセラー上西さんからは、当初、息を出すことがまず大変であったことなど、過去の苦労を中心に。

経験談としては、病院の待合室で呼ばれても理解できなかったこと、後方から来た自動車からのクラクションがわからないことが日常的にあります。皆さんには、筆談でも構わないのでコミュニケーションが取れるような対応のお願いと、「同じような悩みを抱える方との交流をしましょう」との呼びかけが最後にあり、第二部が締めくくられました。