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アートで柏原から発信する!

柏原ビエンナーレ

「柏原から発信する!」というコピーどおり、リビエールホールでの本格的な作品展示(上画像)のほか芸術とまちの文化を巧みに融合させたサテライト会場では、新たな発想のもとで展示が行われていました。

今回のサテライト会場は、旧奈良街道の酒蔵や古民家など。出展者それぞれの感性による創意工夫で新たな「まち」が築かれていました。

 

柏原ビエンナーレ
▲岡田産業南口倉庫にて。

瀬川産業倉庫では、人々の思いをつなげたパズル。(ピンボケですみません)

柏原ビエンナーレ

同じく瀬川産業倉庫では、鉄琴のように様々な音階(琉球風、中国風なども)が楽しめるものも。

柏原ビエンナーレ

また、パンをずらりと並べ(神戸屋?の木箱とともに)、芸術から見たような「食」の表現も印象的でした。

 

杉本酒店麹蔵では、酒造りにおける室内の特徴と風情を残しつつ、床に敷き詰められたやわらかな木屑の上に光と音で演出された空間がつくられていました。

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以前、美容室だった古町の建物もこんな感じに。その美容室の奥では、押し入れの空間を活かして、美しい絵が。

柏原ビエンナーレ 柏原ビエンナーレ

こちらの押し入れのなかでは、針金でつくられた龍が回っていました。光で照らされたシルエットも一緒に感じてほしいとのこと。(作られた方は、芸術ではなく、本来は工業が専門とのことです)

柏原ビエンナーレ

その奥で紹介されたこの場所。これが個人的に一番興味深いところでした。

柏原ビエンナーレ

真っ暗な2畳くらいのスペースに水面が2つ並んでいて、これらが、波打つ優しい音とともに実感できるのです。この中には椅子も用意されているのですが、癒しのようでもあり、ある意味、神秘的にも思える空間となっていました。

 

柏原ビエンナーレ

野外では、木の切り株や木材を再利用した、大きな亀が佇んでいました。

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作者の方にお話を聞くと、木を用いた作品づくりを中心に活動されていて民家と民家の間にあるこの敷地を目にしてから、作品のテーマづくりが決まっていったそうです。亀の向こうには、子どもたちも参加した作品もありました。

ちょうど私が見学している際、旧奈良街道の建物をめぐる「まち歩きツアー」も行われていて、古い歴史ある建造物にアートが重なることで新しい見せ方が提案されていたように思います。

実際、初日のシンポジウムでは他地域における、同様の趣旨による芸術の見せ方が披露されていたそうで、自然も豊かな、柏原の「まち」としての可能性が新たに提案されている美術展でした。

 

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