特集

包装工程で点字を打つ技術を開発

「視覚に障害のある方は、どのようにして商品パッケージの中身を確認するのだろう」

そのような疑問から、包装処理中に点字を施す技術を開発した企業が柏原市本郷にあります。ブリスター包装機をオーダーメードで手がける(有)大青鉄工(ダイセイテッコウ)へお話を聴いてきました。


▲ブリスター包装。朱色で囲んだ部分に点字を打つ。

 

こちらの会社は親子二代で経営する鉄工所ですが、二代目社長の佐薙啓太郎さんは「決まった部品などを大量に造る鉄工所のイメージとは異なり、『生産現場からの相談・課題から、解決する仕組み(機械)を考え、設計から据え付けまでを行う』ことを業務内容としています」と、明言しています。

 

業務の主力はブリスター包装機の製造。これをオーダーメードで提供しており、大手・中小企業の国内や海外の工場に納品しています。

ブリスター包装とは、日用品や文具、化粧品などに使われ、中身が見える透明の状態でパッケージされているもの。商品を手に取って確認した上で購入されている方も多いのではないでしょうか。透明による訴求効果も高く、包装単価も安いために広く用いられています。

 

ブリスター包装機を手がけるなかで、独自の気づきがありました。記事冒頭における疑問。視覚に障害のある方にとっての商品確認です。果たしてこれがどのように行われるのか。実際に視覚障害のある方へのリサーチも実施し、包装工程のなかで点字を入れるユニットを開発しました。(※特許出願中)

 

包装パッケージに点字を

現状において点字を入れるとなると、すべての包装工程が終了してから別行程によってパッケージに点字を入れることとなり、コストがかかります。しかしながら、こちらでは精度の高い包装機械の工程において点字を付加することによって、資材コストを上げることなく処理を行う技術を開発しました。

低コストにおける身近なバリアフリーとなるだけに、メーカーからも社会貢献のひとつとして注目が高くなっているところです。

 

会社を経営するなかで、このような点字付加へのアイディアの背景には、創業者で先代社長・晏道さんの妻(二代目社長の母)豊子さんのボランティアがありました。豊子さんはかつて本を点字で打つボランティアをされていたそうです。手で打つ点字器具が身近にあったことも、啓太郎さんの発想に大きく影響を与えました。

 

パッケージの点字部分を包装工程の途中で行う
▲パッケージの点字部分を包装工程の途中で行う

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かしわらイイネットの代表 兼 営業 兼 ライター。ロック音楽と石好きゆえ 転がり続けてン十年。今後はもっと地に足つけた行動をと言い聞かせる日々です。