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聖徳太子の棺?安福寺で見つかった夾紵棺(きょうちょかん)が「奈良博」で

俳優の佐藤二朗さんが探偵社を結成し、歴史に挑むNHKの「歴史探偵」。本日(4/28)放送分では、飛鳥の八角形古墳が取り上げられます。

 

●NHK「歴史探偵」
https://www.nhk.jp/p/rekishi-tantei/ts/VR22V15XWL/episode/te/5N23JY6N6R/

 

こちらの八角形古墳(八角墳)とは中尾山古墳。その近くには類似した牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)があり、国の史跡に指定され、出土品は国の重要文化財に指定されています。(※誤りがありましたので修正しました。お詫び致します

その出土品のひとつが夾紵棺(きょうちょかん)。夾紵棺は7世紀の終末期古墳にみられる高級な棺(ひつぎ)で、漆で麻布を貼り重ねるなどのつくりから、当時高貴な階級にいた人を埋葬するために用いられたと考えられています。

 

夾紵棺は、その断片が柏原市玉手の安福寺でも昭和33年(1958)、関西大学考古学研究室によって発見されました。この事実は猪熊兼勝氏によって紹介され、平成29年(2017)10月13日のNHK「歴史秘話ヒストリア」でも放送されました。

安福寺で見つかった夾紵棺の一部は45層もの絹を用いた極めて特殊な構造。その幅は記録に残る聖徳太子の棺台(太子町・叡福寺北古墳)に一致し、また安福寺と叡福寺が江戸時代に交流があったことから、太子の棺である可能性も指摘されています。

 

聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」

 

そのような理由で、現在奈良国立博物館で開催中(6月20日まで)の、聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」で、安福寺所蔵の夾紵棺断片が展示されています。(※広報かしわら2月号「柏原の歴史」でも紹介されています)

 

● 聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」展示構成
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/horyuji2021/highlight.html

 

本日の番組でもしかしたら夾紵棺についても紹介されるかもしれません(紹介されなかったらすみません)。(追記:埋葬法の場面でほんの少し紹介されました。4/30に再放送あり)

現在は緊急事態宣言中で不要不急の移動はできませんが、ご関心のある方(特に歴史ファンの方は)はTVで、玉手の安福寺でも発見された貴重な夾紵棺を知っていただけたらと思います。

 

●柏原市文化財課

「安福寺所蔵夾紵棺」
http://www.city.kashiwara.osaka.jp/docs/2016110100057/?doc_id=5647

「安福寺の夾紵棺1」
http://www.city.kashiwara.osaka.jp/docs/2018011700022/?doc_id=7967