この日のヨルゼミは、柏原を知るには欠かせないマニアックな講座を二つお届けしました。
柏原市立歴史資料館の石田さんからは、「柏原のレトロ」と題し、柏原に残されている貴重な近代化遺産について。
所有者や管理者がより自主的に保護、活用できる登録有形文化財(柏原では「築留二番樋」「玉手橋」「カタシモワインフード貯蔵庫」「天理教北阪分教会」「寺田家住宅」など)が、柏原の貴重な近代化遺産であること、その上で、近年発見された「亀ノ瀬トンネル」について、発見に至る経緯やトンネルの構造など、詳しく説明していただきました。
河内家菊水丸さんの弟子でもあった三木さんからは、「柏原の賑わい〜祭りと河内音頭〜」を。
三木さんはだんじりや河内音頭に造詣が深く、柏原にある各地のだんじりについて、地域によって特徴や違いがあることなどを細かく分析。スライドをまじえながら確認できた点が、受講者にとってもわかりやすかったようです。
また、河内音頭については、交野節の流れを汲む河内音頭がどのように変遷してきたのか、歴史と人のかかわりを。
「起承転」で終わっている歌詞の構築や、リズムの解説などは、なかなか聞くことのできない詳しい内容で、時には実際に音頭を披露しながら、熱弁をふるっていただきました。最後には、これからの河内音頭がどうあるべきかの提言も。
豊かな自然とともに、柏原には古きよき文化が今も残っていることが、普段の日常では見慣れた風景となってしまっていて、その貴重さになかなか気づかないでいる。
今回はそのような町の再発見、新発見となりました。以下の感想にもあるように、参加者のなかには、町を見る目が変わってきた方もいらっしゃるようです。おつかれさまでした。
各受講者からの感想。
「亀の瀬付近のトンネルや鉄橋はずいぶん興味深く聴きました」
「どちらもとてもマニアックで細部にまでこだわった話を聞かせていただいて、興味深く楽しかったです。大変勉強になりました。」
「生きて身につく学び方を興味深く傾聴させていただきました」
「今回のゼミで、だんじりや布団太鼓の細かなことがよくわかったので、今後の夏祭りなどでは、じっくり見てみようと思った。」
受講者:ふじばやしさん
旧街道にある石碑、鉄橋など、身近にある歴史。石田成年 さん(柏原市立歴史資料館)のお話は内容も濃く、愉しい時間があっという間に終わる。一冊の本か、雑誌の連載のように、またじっくり伺いたい。
—近代—-
「過ぎ去った瞬間から過去」という視点は、
写真を撮るときに感じているので、わかりやすい。レトロという言葉に対して、悪い印象はなく、明治大正にレトロを感じていたものの、昭和が仲間入りしつつあるのは、映画「ALWAYS」のせいかもと、話を聞きながら頭をよぎる。
所有者が釘を一本も打てない重要文化財より、有形文化財。建物本来の目的からしても、古い建物を活かし使っている方が価値があり、人を引き寄せられる気がする。
—トンネル/鉄橋—-
川沿いを歩いているときになんだろっと感じていた工事現場は、
大阪と奈良を結ぶ最初のトンネル、明治時代の亀ノ瀬トンネル。奈良方面から戻ってきた移動するとき、帰ってきたと感じる場所。
地形的に山崩れからまぬがれ、2008年に発見、2009年に公表された、国交省の所有物。機会があれば、中に入ってイギリス積みを見てみたい。大和川にかかる鉄橋の銘板にイギリスの会社名があったり、柏原散策がますます愉しくなりそう。