昨年秋の映画公開から大きな社会的現象となった「鬼滅の刃」。鬼滅カラーという言葉も生まれるなど、ファッションにも影響を与えています。
そんななか、柏原市でも馴染みのあるセブンツーセブン化粧品のグループ会社「株式会社ビナ薬粧」が、(株)バンダイとコラボレーションしたカラーワックスを販売。注目の商品となっていることを知り、イイネットが取材しました。
(※写真トップは株式会社ビナ薬粧が販売するリッププランパーやアイブロウ)
「株式会社ビナ薬粧」とは? 「鬼滅の刃」人気は同社にどんな影響があったのか? さらに続く今後の事業展開など、さまざまな角度から質問しました。
緊急事態宣言の関係でメール取材とし、「727看板物語」でも直接お会いした、企画室の磯島裕介さんからご回答をいただきました。(お忙しいなか、ありがとうございました)
—— はじめに「株式会社ビナ薬粧・ビナショップ」についてお教えください。
「株式会社ビナ薬粧は1987年創業の化粧品メーカーで、美容室を販売チャネルとする『セブンツーセブン化粧品』のグループ会社です。
創業以来、研究・開発から製造、販売までを自社一貫体制で行っています。セブンツーセブングループの第二の柱を築くべく、培った実績やノウハウをもとに2015年に一般市場へ参入し、バラエティショップを中心に展開しております。ニーズとトレンドを捉え、独自性のある製品づくりを追求し、新たな挑戦を続けている会社です。ビナショップ(自社ECサイト)での販売は、2017年から行っています」
● ビナショップ
https://www.vina-shop.jp/
▲スキンケア「LOVE GENIC」
—— 今インナーカラーなどがとても流行っていますが、染めるのはけっこう勇気がいるように思います。でも、このカラーワックスであれば気軽に楽しめるので、ユーザーにとって大変嬉しく有難い商品です。このような商品(コラボ商品に限らず)を開発、展開しようと思ったきっかけはありますでしょうか?
「 2015年に初めてカラーワックスを製造販売しました。当時は、今ほど気軽に誰もがカラーリングをしているわけではなく、仰るように、美容室で染めてしまうのは勇気がいったと思います。また、染めたくても学校や会社などの都合で染められない方もいらっしゃいます。
そのような方のために、メークアップ技術を応用したこのカラーワックスであれば、1日だけ気軽にカラーリングを楽しんでいただけるのではと開発しました。
どちらかというと、イベントや特別な日などに『非日常』を楽しんでいただくような製品で、メインユーザーも現在とは違い男性が中心でした。コラボ製品に関しましては、TVアニメ『鬼滅の刃』とカラーワックス商材のコラボのお話を受け、株式会社バンダイから発売に至りました」
● 「鬼滅の刃 スタイリングカラーワックス」特設ページ
https://www.vina-shop.jp/html/page36.html
—— 昨年(2020年)3月、鬼滅の刃のキャラクターをイメージしたスタイリングカラーワックスを開発されていらっしゃいました。鬼滅の刃のキャラクターを商品に起用しようと思われたきっかけをお聞かせください。
「近年は女性を中心にインナーカラーや毛先カラーなどが流行し、カラーワックスももっと日常的に誰もが気軽に使用していただけるようなアイテムにしたいと考えておりました。そんなときに、株式会社バンダイよりお話をいただき開発・製造を行ないました。
『鬼滅の刃』はアニメ化をきっかけに人気を博し、そこで描かれる映像美やファッション性の高さが注目されていました。そこに登場するキャラのヘアスタイルはカラフルで、毛先や部分カラーなど、ファンが真似したくなるような現代のトレンドが取り入れられており、弊社のカラーワックスとうまくマッチングするのではないかと考えました」
—— 煉獄さんや胡蝶しのぶさんが人気ありそうですが、1番人気のカラーは何色でしょうか?
「胡蝶しのぶパープルが人気です。映画公開後は、煉獄杏寿郎レッドの人気もあがってきましたね」
▲胡蝶しのぶパープル
—— キャラクターでカラーを選ばれる方もいらっしゃると思いますが、いかがでしょうか?
「お客さまは、アニメファンで登場人物になりきりたい、真似したい、という方から、お子さまや親子コーデを楽しまれたり、 純粋にお洒落を楽しんでいる方も多くいらっしゃいます。ですので、推しキャラでカラーを選ばれる方やお洒落としてチャレンジしたいカラーを選ばれる方、さまざまですね」
—— 映画化されて話題になったと思っていたのですが、2020年3月に発売されたそうですね。当時の状況をお教えください。
「はい、発売は2020年3月です。当初は圧倒的に『漫画・アニメ』のファンの方たちで販売は順調でした。しかし、その後の緊急事態宣言で商談もできず、お客様が店頭に足を運べないという状況になってしまいました。その後、昨年10月16日に映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開され、直前のTV放送等、世の中が『鬼滅の刃』一色になりだしたタイミングで数字が大きく変化しました」
—— 差し支えない範囲で構いませんので、売り上げ状況をお教えいただけないでしょうか。
「弊社のECサイトでの販売に関しましては、発売(2020年3月)から9月までの平均販売個数と10月以降の平均販売個数を比較すると約2.3倍の伸長率です。また、発売から10月までの平均販売個数と11月単月の販売個数を比較すると約3.7倍の伸長率となりました」
—— 発売当時に比べ、購入層に変化はあったのでしょうか。
「発売当初から購入層が広がったと感じています。小さなお子さまから40代・50代の方まで、年齢性別問わず、幅広く好評の声を頂戴しております」
—— 現在は、スマートフォンゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』をイメージした「ディズニー ツイステッドワンダーランド カラーワックス」も発売されています(2021年2月19日現在、予約受付中)。鬼滅の刃とは違ったパッケージになり、スタイリッシュなイメージですが、パッケージデザインについてのお考え、新商品への意気込みなどをお聞かせください。
● 「ディズニー ツイステッドワンダーランド カラーワックス」特設ページ
https://www.vina-shop.jp/product/twisted-wonderland_colorwax.html
「こちらの製品も株式会社バンダイよりお話をいただき、開発しました。
ツイステッドワンダーランドは圧倒的に女性ファンが多く、ディズニーの世界感もすごく素敵なので、パッケージにもかなりこだわりました。
株式会社バンダイの担当者のアイデアや加工技術の知識がすごく、箱の形状から印刷の加飾など細かい部分まで気合が入っていますよ!(笑)
こちらは、キャラクターのステッカーが添付されているのでそちらも楽しんでいただきたいですね」
—— 服や帽子に色移りしにくいとありますが、開発で苦労されたことなど、差し支えなければ教えて下さい。
「メークアップ技術を応用した独自製法で髪をカラーリング&コーティングしているため、色移りしないのですが、『色味と発色の再現性』との両方を実現するのが大変でした。何度も試作を繰り返しましたね」
—— ユーザーの声・感想で、今後に役立てようと考えていることはありますでしょうか。
「『〇〇(キャラ)のカラーワックスはないの?』『〇〇色はないの?』というお声をいただくこともありますので、今後の参考にさせていただきたいと思っています」
—— 事業全体の今後の展開について、コロナの影響も含め、最後にお聞かせください。
「コロナ禍で人々のライフスタイルが劇的に変化しました。新たなライフスタイルに寄り添って、これからも化粧品の価値を提案・提供し続けられる会社でありたいと思っております」