9月9日付のTwitterで次のようなクイズを出しました。
新企画「かしわらクイズ」の第１問目。174票のご解答ありがとうございました。ここまで答えが分かれるとは思わず、いささかびっくり。
正解は４番の「10駅」です。なんと最も少ない解答数でした。まさか第１問目からこんなことになるとは思わず、しっかり記事にすることとしました。
鉄道会社ごとに駅をひとつひとつあげていきましょう。
【JR関西本線（大和路線）】
柏原・高井田・河内堅上
【近鉄大阪線】
法善寺・堅下・安堂・河内国分・大阪教育大前
【近鉄道明寺線】
柏原南口・柏原
「あれ、近鉄の柏原」も入れるの？」と質問が出そうですね。
「鉄道会社の駅」というクイズだったので、このクイズの答えとしてはカウントすることにします。
実際にその件のリアクションが大きく、そのなかでも「共用駅だから２つ」「いや共用だから１つ」と意見も分かれました。
▲柏原駅１番線には近鉄道明寺線。赤色の表示も特徴
そこでまず、柏原駅の歴史を簡単にたどってみましょう。
柏原駅は、明治22年（1989年）5月14日に大阪鉄道（JR西日本の前身・近鉄の旧名称とは別）湊町～柏原を結ぶ鉄道路線として開設しました。
その後、柏原駅を接続点とし、明治31年（1898年）に河陽鉄道会社が柏原～古市間の鉄道を設置。
▲１番線にはかつてのホームの名残りもある（右の石積み部分など）
河陽鉄道は河南鉄道、大阪鉄道（上に挙げた大阪鉄道とは異なる会社）、関西急行鉄道と事業譲渡などを経て、現在は近畿日本鉄道株式会社（近鉄）道明寺線となっています。
▲柏原駅西側にJRと近鉄のマークが２つ表示
創業会社は異なるものの、現在の近鉄にとっては最古の路線であり、駅事業は近鉄がJR西日本に委託する形で運営されています。
この駅事業で最もポイントとなるのが、よくある「ＩＣカードタッチ忘れ」問題（？）。
柏原駅ホームの地面には、派手に大きく「近鉄乗車の際のICカードタッチ」を促す注意書きがなされています。
▲ホームに大きく表示されたICカードタッチの案内
また、柏原駅の改札にも下のような注意事項が記載されています。
柏原駅でJR・近鉄と乗り換える際、ICカードタッチ機にカードをタッチすると、乗り換える前の鉄道料金が精算され、次の鉄道会社への入場記録がカードに記録されます。
また、柏原駅からＩＣカードで入って近鉄道明寺線に乗る場合でも、カードをホーム内にあるICカードタッチ機に再度タッチしなくてはなりません。
▲双方の乗り換え、近鉄の乗降車で必要な「ICカードタッチ」
ということはこのシステム、共用駅であっても「一方の鉄道会社の改札を抜けて、もうひとつの鉄道会社へ入る」という意味をなしているように思われます。
▲JRと近鉄で分かれて設置される切符販売機、近鉄の路線図には「当駅からJRへ乗り換え」と記載（赤枠部分）
何が言いたいかというと、この駅には「鉄道会社の駅が２つある」と考えるのが自然ではないか、ということです。近鉄とJR西日本の鶴橋駅をイメージするとわかりやすいかもしれません。
柏原駅の場合、駅舎は１つですが鉄道会社の駅は２つと考えました。
直通運転の大阪メトロ・御堂筋線や阪神なんば線には、上のようなわずらわしさはなく１つの駅と考えてもいいのかもしれませんが、柏原駅は２つと考えた方がよさそうです。
それを訴えるかのように駅の東西には、ＪＲ・近鉄双方のマークも刻まれています。
▲柏原駅東側。上から見ると柏原駅の表示が２つあり、上には近鉄のマークあり
ちなみに、柏原市の広報かしわら別冊鉄道特集号の表紙をめくると、「柏原市には駅が１０個」と冒頭に挙げられています。（クイズの後に気づきました。よく読むと「共同使用駅」についても触れられています）
広報かしわら特集号のバックナンバーは下記のリンク先（柏原市Webサイト）にありますので、興味のある方はご覧ください。
http://www.city.kashiwara.osaka.jp/public-relations/2021032500045/
場所を示す際、よくJR柏原駅と書き記しますが、本来は近鉄柏原駅でもあるんですね。これからはJR・近鉄柏原駅と書こうと思いました。
※最後の文章を修正しました（2022.09.13 20:32）
・河陽鉄道開通120周年記念事業記録集（発行：特定非営利活動法人おいなーれ柏原）
・広報かしわら特集号2018年3月「鉄道と共に歴史を刻むかしわら」
（撮影協力）
・美容室プライムママ（豊永ビル５階）
2012年に「かしわらイイネット」を設立。地域の情報発信をはじめSNS講座講師、各種講座の主催も担う。趣味は音楽、天然石探しなど、いずれもロック。
