株式会社九櫻 繊維事業部 桂恵美さんにインタビュー
株式会社九櫻へのインタビュー。３回目は繊維事業部の桂恵美さんに再び登場していただきました。前のインタビューの後も次々と続く企画や商品展開について尋ねました。（下記リンクもお読みください）
● 前回のインタビューからその後の体制に変化はありましたか
パターンから縫製まで専門のスタッフが専属で就いてくれるようになりました。おかげでサンプルづくりのスピードが早くなっています。小ロットでも自社で作っていけるというのが強みとは思っています。柔道衣生産ではOEMは受けないのですが、繊維事業部では新たな商品をOEMで受けることも徐々に広めています。
▲パターンから縫製まで繊維事業部のある今町で
● 大きなニュースがあればお聞かせください
大阪のみんなが誇れる大阪みやげを創出する「OSAKA PRIDE PRODUCTS 2025」の大阪代表商品50のなかに、弊社の刺子バブーシュを選出していただきました。10月まで各百貨店や主要拠点で展示されることになっています。
▲刺子バブーシュが「OSAKA PRIDE PRODUCTS 2025」に選出 （※写真提供 株式会社九櫻 繊維事業部）
● カタシモワイナリーとのコラボレーションでカフェエプロンが発売されました
以前、コーヒーのチャフでショートパンツを染めましたが、今度はぶどうの皮を用いた染めを行いました。紫やオレンジの色は出せないため、少し染料を使用することにはなりましたが、デラウェアの絞り汁に似た色を表現できました。
▲ワイン染めカフェエプロン （※写真提供 株式会社九櫻 繊維事業部 photo by @shota_kuroishi ）
● 他に新たな取り組みはあるでしょうか
事務所横のショールームに畳を３枚置くようにしました。九櫻の畳は全日本柔道連盟に認定されています。その質感を感じていただきたいと考えました。さらに柔道衣の試着や、帯の締め方から体験できるような工場見学を少しずつ始めています。
▲全日本柔道連盟に認定されている畳。見学者には柔道衣の試着も可能。クッションも備えている
畳にビーズクッションを置いています。それは京都の大東寝具工業株式会社 製で、弊社の刺子生地を採用していただいたクッション。こちらにもぜひ注目してください。
ショールームで弊社の商品をお買い求めできます。一般の方も来社できますので、商品を直接確かめていただいてご購入ください。対応できる社員がいる平日に限って、購入が可能です。
▲ショールームでの購入も対応
● 最近の動きを拝見していると、地域とのコラボレーションもよく見られますね。
地元デザイナーとの協働でトートバッグ（柏原ほまれトート）も生産するなど、地域との連携もはかるようになりましたね。
ちなみに、このトートバッグの持ち手の細かいミシン目はすべて手作業なんです。8cmの幅に約3mm間隔で21本。重なることなくまっすぐ縫い上げ、縫いはじめから縫い終わりまで糸を切らすことのない縫製には、柔道帯の縫製技術が使われています。
▲かしわらほまれトート
さらにこのたび、日本遺産「龍田古道・亀の瀬」推進協議会から当社の「かめのさし子インケース」が「もうすべらせない！！ブランド」として認定されました。
こちらの商品は、大和川河川事務所亀の瀬地すべり歴史資料室内にある販売ブースで購入が可能です。ぜひ直接目にしてください。
▲かめのさし子インケース。「もうすべらせない！！ブランド」として認定された （写真提供：株式会社九櫻）
九櫻の刺子生地には、丈夫で使いこむほど柔らかくなる特徴があります。それをさまざまな形で知っていただき、柏原の産業振興や観光にも貢献できると幸いです。弊社の事業のひとつとして今後も続けていきたいですね。
聞き手・構成：かしわらイイネット 大村 吉昭
撮影：natully photo（ナチュリーフォト) 萩 沙織 ［クレジットのある写真は除く］
