清州のオガタ通り商店街にある「御菓子司 かつら屋」。
本店は現在、富田林にありますが、清州の柏原店は40年の歴史を持ち、 かつら屋の各店舗のなかでは最も歴史があるそうです。柏原市出身である奥田社長ですから、柏原に深い縁を持っているお店と言えるでしょう。
「柏原の円明で栽培されているいちじく、これが甘いんですよ」
と、力強く、時にはユーモアも交えながら表情豊かに語る奥田さんです。
▲話の内容も幅広く、和菓子づくりの造詣の深さを感じさせる奥田社長
いちじくと言えば、羽曳野や藤井寺など南河内の名産というイメージがありますが、 奥田さんの眼に留まったのは、 柏原・円明のいちじくでした。この地域の土からして違うものを感じるとのこと。
南河内の名産とともに、決して引けをとらない柏原のいちじくも、 「かつら屋」の商品には使われているそうです。
▲河内のいちじくが使われた「河内のいち押し」
このような、広く良い素材を追い求める姿勢が、 斬新な発想に基づいた御菓子づくりに反映されています。そのなかで定番の「河内もなか」も生まれました。
また、聖徳太子が、現在の太子町叡福寺に墓地を造営する際、法隆寺から持ち帰ったと言われる里芋「石川早生」も取り入れるなど、地域の特産を用いることで、歴史や風土を背景とした御菓子も。
その上で、いかに上質な御菓子を生み出すかを追求することによって、 御菓子の味わいに深さが生まれているようにも思えます。
これまでの伝統を守りつつ、新しい商品開発にも余念がない。 積極的に次を見据える思考と行動力を感じた、奥田さんのお話でした。
(※撮影は富田林の本店にて)
店名 | 御菓子司かつら屋 柏原店 |
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場所 | 柏原市清州1丁目3-20 |
アクセス | |
公式サイト | http://www.e-katsuraya.com |