※画像提供:カタシモワインフード株式会社
「たこ焼きに合う大阪産スパークリングワイン」として親しまれる「たこシャン」が、著名人やCMプランナー、コピーライターが審査する日本ネーミング大賞の【地域ソウルブランド部門】で優秀賞を受賞しました。
「日本ネーミング大賞」とは、ネーミングの質と価値の向上を図り、生活文化をゆたかにし、産業の発展に寄与することを目的に選出するアワードで、著名人や名高いCMプランナー、コピーライターなどプロフェッショナルな審査員によって、授与が決められています。
▲12月2日東京で開かれた日本ネーミング大賞授賞式。表彰者前列右から2番目に同社の高井麻記子さん(日本ネーミング大賞プレスリリースより。審査委員長は爆笑問題 太田光氏)
「たこシャン」が生まれたのは2010年。60年以上前の先代もスパークリングワインを醸造していましたが、創業110年のカタシモワイナリー4代目高井利洋社長が、独自に工夫と研究を重ね、濃厚な甘口ソースを引き立てるコクのある中辛口に仕上げました。地元大阪で愛されるように願いを込めて「たこシャン」と命名。
「たこ焼きに合う大阪産スパークリングワイン」の意味があり、名前はカジュアルですが、最高級スパークリングワインの醸造方法「瓶(ビン)内二次発酵」によって、1本1本手作りで製造しています。
大阪産のぶどうを搾ってワインを醸造し、さらにそれを瓶(ビン)につめて「瓶内二次発酵」させます。その後、人の手によるルミアージュ(瓶の口にオリを集める作業)、デゴルジュマン(オリを取り除く作業)を行います。
▲同社にある古民家発酵室にて。ルミアージュ中のたこシャンと完成品 (※画像提供:カタシモワインフード株式会社)
白い花を連想させるさわやかな香りと、バランスの取れたしっかりとしたコクを感じる中辛口。大阪ならではの味、串カツ、たこ焼き、お好み焼き、関西の出汁(だし)の効いた和食などに合うのが特徴です。
その名と醸造方法、味わいからヒットした「たこシャン」は、その後に「大阪産(もん)」や「地理的表示(GI大阪)」にも認定されました。
大阪産(もん)として大切な大阪ぶどうは、大正の終わりから昭和初期にかけて全国1位の栽培面積を誇りました。2023年(令和5年)でも3,520t(トン)と全国で第7位の収穫量。
中でもこのワインに使用されているデラウェアは、大阪ぶどうの主力品種です。この品種の栽培面積は、現在も全国3位を誇ります。
しかしながら大阪のぶどうも高齢化や耕作放棄地の課題を抱えています。その解決のため、高齢でも負担の少ない独自のワイン用ぶどうの栽培方法を開発しました。
▲露地栽培によるワイン用デラウェア
具体的には、房の整形を省くなどの作業量削減、露地栽培(屋外栽培)の推奨、減農薬など。さらに企業や個人のボランティアを募り、収穫の負担も減らしています。
これらの栽培方法を、課題を抱えるぶどう農家に勧め、「大阪ぶどうを未来につなぐ」という使命とともにワインを醸造しています。
そのような背景も気軽に知っていただくためにも、大阪ならではの「たこシャン」というネーミングは生まれ、今回の受賞に至りました。