
柏原駅から大正通りを西に進んだ先に、「大正通りネスト」という新たなエリアが生まれています。
北側には民家をリノベーションした建物があり、1階には自転車専門店や書道教室、2階にはコワーキングスペースが設けられています。ここでは2階の「Nowhere Kashiwara(ノーウェア柏原)」を紹介。
▲建物の西側に入り口がある
コワーキングスペースとは事務作業や会議などを共同で使う場で、フリーランスや在宅勤務の人たちに最近よく利用されています。
「Nowhere Kashiwara」は7月にオープン。地域や人とのつながりも大切にし、柏原ではこれまであまりなかったスタイルの事業が展開されています。
運営する松川さん(Wanderlust代表)はイイネットのSDGs企画にも参加していただき、その後もAnyアート・トークセッションでも紹介されるなど、話を聴く機会が度々ありました。海外での経験も豊富で、視野の広い方という印象です。
その後、11月の「をかしわらマルシェ」で現地を初めて訪問しました(写真はマルシェ当日に撮影)。木の雰囲気を大切にした空間は、訪問する人をあたたかく迎えているような気がします。
▲2階に上がる階段。背の高い方は頭上注意
建物2階のほとんどがコワーキングスペースとなっていて、一人用のデスクが2台、会議に使える大きなテーブルが1台用意されていました。
▲一人用のデスク
▲1階部分にシンクあり
コワーキングは同じ時間帯にフロアを共用するので、そこから新たな仕事のつながりが生まれる可能性もあります。「コミュニティベース」とも称し、デザイナーやクリエイティブな人たち、芸術専攻の学生が集まる場にもなっているようです。

「Nowhere」と見聞きして、どことなく洋楽の雰囲気がするなあ、と感じていたところ、松川さんは長く音楽業界に関わられていたことを知りました。80年代に活躍したTalking Heads(トーキングヘッズ)の楽曲「Road to Nowhere」の影響を受けているとか。
一見すると目標のない場所をめざしているように思える楽曲タイトルですが、「どこにもない新たな場所へ行こう」と呼びかける深い意味を持ち、ポジティブな歌詞とわかります。その上で「皆で作り上げるライブ感がいいんです」という松川さんは言います。
個性やスキルのある人が集まり、浮かび上がった発想を推敲して新たなモノを生み出していく。自由闊達な交流が町全体にも広がり、ひいては新たなエリア価値をつくり出す——- 「Nowhere Kashiwara」はそのような事業のあり方を目指しているように思えました。
▲さまざまな分野の人びとが集まるのを示すように、ズラリと並ぶリーフレットやガイドブック。すでにワークショップも実施されている
現在、水耕栽培によるエディブルガーデン(※)も実施されている建物南側の空き地も、来年(2021年)春からは大正通りネストとしてさらに拡張する予定。松川さんもプランの中心的な役割を担うそうで、これからも注目のエリアです。 (おおむら)
(※「エディブルガーデン」— 英国のトッドモーデンが発祥とされ、「誰でも食べられる野菜や果物を栽培する庭づくり」から、人びとの交流や経済に新たな効果をもたらすまでに至っている)
名称 | Nowhere Kashiwara |
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場所 | 柏原市大正1−3−34 大正通りネスト |
アクセス | |
サイト | https://nowhere.wanders.fun/kashiwara/ |