※2015年に行われた企画です。内容は当時の情報ですので、ご了承ください。
柏原市にある食の名産について考え、取り組みを進めていこうと、8月3日(月)に「かしわら うまいもんあるでふぉーらむ」が開催されました。主催はおいな~れ柏原ネットワーク。その詳細を特集記事にてお送りします。
当日は柏原市内の11店舗・団体が参加し、それぞれ考案した料理、もともとの自慢の料理を参加者の皆さんで試食。
第1部では、吉本クリエイティブの「へびいちご」さん進行のもと、招待されたパネリストと会場参加者の前で、それぞれの参加企業・店舗の方々がプレゼンテーションする形式でPRしていただきました。
パネリストには、中野隆司 柏原市長、奥山渉 柏原市議会議長、橋口明美 柏原市商工会女性部長、的場輝佳 関西福祉科学大学教授、フードライター 小我野明子氏の皆さん。
(各参加団体・店舗のプレゼンテーション 登壇順)
1)カタシモワインフード株式会社「柔らか薫るデラウェアワイン」「ノンアルコールワイン KAHI」
「柔らか薫るデラウェアワイン」(写真左)
大阪でつくられるデラウェア(ぶどうの品種)は全国第3位の生産量を誇ります。
この地域の宝であるデラウェアからのワイン醸造は、他の品種と比較すると難しいという課題があり、これに挑むことはわが社の重要なテーマでもありました。
現在までも、スパークリングワイン、グラッパ、ぶどうジュースなどをデラウェアから醸造してきましたが、今回独自に香りを引き出すことに成功したのが、この「柔らか薫るデラウェアワイン」です。
「ノンアルコールワイン KAHI」(写真中)
日本で最初にぶどうの搾りかすからつくったノンアルコールワインです。醸造の際に搾ったあとの残りかすは、本来は捨ててしまいますが、これによってぶどうをフルに活用することとなり、エコで、かつぶどうそのものの付加価値を上げると考えています。
赤ワインに含まれる栄養素ポリフェノールが含まれるため、アルコールが苦手な方にもお勧めできます。このKAHIは、日本を代表する有名シェフが選ぶ一品として、「第1回料理マスターズ」において認定されました。
2)株式会社テンダーボックス「柏原ワインジェラート」「チーズジェラート」
「柏原ワインジェラート」「チーズジェラート」
「ジェラートを通じて元気と笑顔を提供する」とモットーに、保存料や着色料などの添加物を用いることなく、安心と安全、かつ美味しい本格的なジェラートづくりに取り組んでいます。
2015年1月には、イタリアで開催された「第36回SIGAイタリア国際ジェラートコンテスト」自由部門で、オリジナルジェラートが、日本人では最高となる世界6位に入賞しました。
そのような実績と評価をいただくなかで、地元食材による「ご当地ジェラート」づくりにも力を入れており、地域活性化を支える取り組みも行なっています。
ここ柏原においては、ワインを用いたワインジェラートを生産しました。アルコール度数を1%未満に抑え、甘さも調整するなどしながら、デザートとしても柏原ワインの風味を楽しんでいただくことができます。また、菌のバランスに工夫を重ねたチーズジェラートについては、クラッカーに乗せて味わっていただくなど、ワインとともに楽しんでいただくことができます。
3)ぱん処ちどり 「バジル de ポン」
「バジル de ポン」
地域の特産である岡村製油(株)の綿実油の特徴をいかそうと、サラダ油の使用が中心となる中南米のパン「ポン・デ・ケージョ」に、柏原のワインを用いたバジルペースト、さらに今回はお店で調理したドライトマトを加えて出品しました。
モチモチとした食感、口あたり、のど越しのなめらかさと練りこみ材料とのバランスを味わってください。
4)Ciao 「かしわらピッツァ」
「かしわらピッツァ」
柏原と言えば、デラウェアとワイン。これらをピザに用いることから考案しました。ホワイトベースにブルーチーズ、デラウェア、パルミジャーノ、仕上げに赤ワインで作ったソースをかけて完成。
デラウェアの甘さを白ワインで調整し、工夫を凝らしました。お店に来られるファミリー層の方々はシンプルなものを選びがちですが、今後は他のぶどう品種も試しながら、柏原独自のピッツァとして商品化していきたいと考えています。
5)Kitchen five 「生ぶしの押し寿司」
「生ぶしの押し寿司」
今回の「うまいもんあるで ふぉーらむ」があると知り、主婦の視線で勧める料理がご提案できないかとユニットを結成しました。古くから河内一帯でつくられた郷土料理です。生ぶしとは、鰹を蒸して半生にし、そぼろになるまで甘辛く煮つめたものです。ここでは、押し型に入れて寿司めしの上に乗せて押し上げました。
現在は地域でもつくられなくなった、素朴な味覚を広く知ってもらい、いろんな人に再現していただきたいという目的で出品しました。
6)中国料理 山丁 「シューマイ」
「シューマイ」
手づくりシューマイを看板に、柏原市で中華料理のお店を出して20年少しとなりました。小さなお店ですが、最近、口コミでこの味を楽しみにして足を運んでくださる人が増えてきて喜んでいます。
豚・牛のミンチ、タマネギ、ホタテの貝柱を使用した、手づくりの大きなシューマイです。今回は柏原の特産を使った材料ではありませんが、地元での認知度もあがってきて、柏原にある料理店として誇りを持てるような自慢の一品を持参しました。
7)ちゃんこ三賀 「ちゃんこ鍋」
「ちゃんこ鍋」
柏原で生まれ育った先代が、相撲好きが高じて昭和52年に開いたちゃんこ部屋で38年となります。通算勝利記録を持つ魁皇(現:浅香山親方)を輩出した大相撲友綱部屋より指導を受けており、現在も親密な交流を続けています。
今回も友綱部屋から指導を受けたピリみそ味のちゃんこ鍋で、柏原の特産は使っていませんが、しっかりと基本を踏まえた伝統ある味を用意しました。今回は、ツミレにタイとマグロ、つなぎ目にモンゴイカを使い、宮崎の国産豚肉がメインとなっているのが特徴です。
8)いっさ堂 「ぶどうの枝~ねじねじ棒~」
「ぶどうの枝~ねじねじ棒~」
以前、ぶどう畑のボランティアに足を運び、農作業を実体験したことがきっかけで、柏原の歴史あるぶどう畑を自慢したいという意識が芽ばえました。この思いから、現在オープン予定であるお店の商品として考案したのが、あまり注目されない「ぶどうの枝」を形どったパイです。
薄く細くねじって形どった生地は、サクサクとした食感。今回の味つけには、胡椒、クレイジーソルト、砂糖の3種類を用意しました。塩味はワインに、フランスのカソナードを用いた砂糖味はおやつにと、様々な味覚を展開したいと考えています。
9)御菓子司 かつら屋 「柏原ぶどう饅頭」「ワインゼリー」
「河内ぶどう饅頭」 「ワインゼリー」
当店は、オガタ通り商店街で開店して42年目を迎えました。今回は当店自慢の「河内もなか」を焼き菓子にし、柏原名物であるぶどうから饅頭を作れないかと開発したのが、今回の「河内ぶどう饅頭」です。
ぶどうそのものを御菓子に取り込んでいくには難しい面があることから、干しぶどう(レーズン)にし、丁寧に炊き込んで北海道産の白あんとともに焼き菓子に仕上げました。
また、カタシモワイナリーの辛口ワインを用いてさっぱりとした味覚のゼリーも今回開発してみました。冷凍するとシャーベットにできる楽しみもあり、家庭でも気軽に味わえるものが特徴です。
(出品のみ)
10)奴壽司 「鉄砲巻」
「鉄砲巻」
寿司米を昔ながらの「かまど」で炊くお店です。巻き寿しと四種類の細巻が入り、干瓢巻きのことを鉄砲巻きと言われており、そのネーミングから、大阪の陣400年イベントにおいても出品されています。(参加申込書におけるコメントより)
11)アンジュブラン 「柏原河内ワインカステラ」
「柏原河内ワインカステラ」
柏原のお土産として、カタシモワイナリーのワインを使用したカステラを開発し、以前より店頭にて販売している商品です。本年度より四年間、大阪市の小学校の教科書にも「柏原のぶどうでつくったお菓子」として掲載されています。
ワインの風味を引き出せるように、配合や焼き時間を工夫し、しっとりとした味わいにしているのが特徴です。(参加申込書におけるコメントより)
すべてのプレゼンテーションを終え、第1部のパネリストを代表して中野隆司柏原市長よりコメント。
「すべて美味しい出品内容ばかりでした。柏原にこんなに美味しいものがあるという発信手法を工夫していく、例えば、お店側も柏原ならではのネーミングに変えてみるなど、まち全体で見せ方を変えたり、発信していく必要があると考えています。ありがとうございました」
その後、参加者全員による試食を行なった第2部のあと、第3部ではおいな~れ柏原ネットワーク三木副代表の進行により、各パネリストの皆さんから、今回のフォーラムへのご感想と「柏原市の食はこうあるべきだ」というご提案をいただきました。
柏原市にぎわい都市創造部部長 奥田隆一さん
「柏原市としましても、まちの特産品・土産品のPRを考えています。柏原市独自による特産品認定制度を企画していまして、例えばサンヒル柏原の土産品コーナーをアンテナショップへとさらに活用するなど、今後の企画や検討をしていきたいと考えています。」
柏原市議会副議長 岸野 友美子さん
「グルメに関する情報をインターネットにおける発信力を用いて、もっと発信していく必要があると考えています。また、お店同士のコラボレーションによる企画で、例えば洋菓子と和菓子のセットによって、ファミリー向けの幅広い世代へと販売し、お互いの店舗が相乗効果をあげるのも一つの案ではないでしょうか。今回の出品内容も『ふるさと納税』していただいた方へお贈りする特産品にふさわしいものだと考えています。」
柏原市商工会女性部部長 橋口明美 さん
「主婦の立場から、今日は参加させていただきました。柏原の特産であるぶどうを使って、このような美味しいものがたくさんあるのだと実感しました。これからの商品化としての発展を祈ります」
関西福祉科学大学教授 的場輝佳 さん
「柏原の特産の柱は、ぶどうとワインだと考えます。これらを使って、例えば市内のレストランに置く、家庭料理に使うなど、日本の中でも負けないこれらの特産をまち全体がキーとして売り出すと、様々なプラスの効果が生まれると考えます。また、認定した際にはロゴマークを考案することで、のぼりやステッカーなどを用いてブランド化することを薦めます。根気強さも大切で、行政、民間のお互いの理解と協力も必要です。若い世代とのコミュニケーションも取りながら、このような取り組みを継続的に実施してほしい」
フードライター 小我野明子 さん
「柏原市には本日初めて訪問し、こちらのフォーラムへと参加致しました。まず感じたのは、柏原市のことをよくご存知ない方にとっては、柏原が『かしわら』か、それとも『かしはら』なのかと間違えやすいかも知れません。まちのPRのためにも対外的にひらがなの『かしわら』と統一してみるのはいかがでしょうか」
「また、こんなに美味しい料理がいくつもあることに皆さんが自信を持っていただき、その上で他市の方から注目されるためには、デザインやネーミングによるインパクトも大切でしょう。さらに、JR柏原駅で降りると飲食関係の情報も掲載されている町のガイドブックやパンフレットが置いてあると、はじめて訪問された方にとって非常にわかりやすいと思います」
第1部司会進行 へびいちご さん
「ぶどうの皮を使ったノンアルコールワインから思いついたのですが、ぶどうの皮を使って、ここでしか食べられないような料理もアイディアとして面白いと考えます。また『美』と『ぶどう』をうまく結びつけたり、「ぶどう」を用いた奇抜な発想による歌やエンブレムをつくって町のPRとすると面白いと考えています。」
総括として、おいな~れ柏原ネットワーク桝谷代表より
「私たち『おいな~れ柏原ネットワーク』は、他市から柏原市にもっと訪れてほしいと考え、活動を進めています。そのためには『食によるおもてなし』も大切だと考え、取り組みを進めています。今回も少しずつその効果が出てきており、熱い気持ちを持った人たちの参加が増えて参りました。
決して一過性で終わるのではなく、今後も継続してこのような取り組みを実施し、観光まちづくりに向けた活動を続けていきたいと考えています。まず直近の予定としましては、9月26日に「かしわら ぶどうマルシェ」をリビエールホールにて開催し、直接、市の内外の人たちに柏原のうまいもんをPRしていきます。」
とコメントがあり、今後の柏原の食へ向けての取り組みについての意気込みと提案を示しました。