イタリアボローニャ国際絵本原画展に8回入選実績のある絵本作家、木虎徹雄さんの個展が茶吉庵で開かれました。11月3日に訪問した際の模様です。
2階建の米蔵ギャラリーが会場でした。1階のテーマは「境界線」。
木虎さんは、大和川に合流する石川沿いのサイクリングが日常のひとつとなっています。毎月1回描く絵画には、コロナ前とコロナ後で表現の違いが現れました。「ふつうの一日が実はあたり前ではない」と。
コロナ前に描かれたのは青谷の風景、平成29年台風21号にも負けずに咲き誇るコスモスなど。
▲台風21号あと石川の公園で咲いたコスモス。細かく描写されている
コロナ後は閉ざされた心象を描くとともに、亀の瀬のプロジェクションマッピングも、ご自身の世界観で描かれていました。添える文章は利き手と反対の左手を使うことで、思考して丁寧に書く意識を高めているそうです。
▲亀の瀬プロジェクションマッピングも繊細かつやさしいタッチで
2階の展示は「うまく描こうという意識を取っ払った」絵画の展示。それでも、絵本「100のくも」の原画など「キトラブルー」と呼ばれる青の色表現が感性豊かに描かれていました。
販売されていた絵本「8月7日のトレイン」は、近鉄道明寺線の柏原南口駅がモチーフ。それを聞いてさらに興味が深まり購入しました。
木虎さんにお会いするのは3回目。お聞きするたび新たな発見があります。今回もそのような機会となりました。
▲木虎さんが描く茶吉庵