「せんべい」で地域防犯を伝えようと、今町の株式会社いたに萬幸堂と玉手山安福寺が共同で商品を開発しました。その名も「騙されませんべい」。
玉手山安福寺では介護者カフェなど地域のコミュニティ活動にも取り組んでいます。
大崎信人住職によると、以前から電話で家族を装い高齢者に近づく特殊詐欺を憂慮。特に「独居高齢者のやさしさと寂しさにつけこんで来る」と考えていました。
そこで柏原警察署の協力で防犯啓発にも寺として活動を始めました。参加者にふるまわれたのが、いたに萬幸堂のせんべいでした。
いたに萬幸堂の伊谷祐一社長もまた、堅上地区で地域活動に取り組んでいます。地元でも特殊詐欺が3件発生していました。
▲いたに萬幸堂のせんべいが並ぶ直売所にも大きなコーナーを構える。今町の井戸元にて
柏原警察署管内では令和4年度は8件(※認知件数)だった特殊詐欺が、令和5年度には27件と増加、被害総額は約1000万から約4800万円と4倍となっています。被害者の約9割が高齢者。
(大阪府では令和4年度 2,064件 ・31億8614万5千円、令和5年度 2,649 件・36億939万6千円と増加し、件数は過去最大)
※認知件数=警察等捜査機関によって犯罪の発生が認知された件数のこと。認知されていない件数は含まれない。
そこで、柏原警察署が防犯の啓発品を作れないかと両者に相談。「騙されませんべい」が生まれました。
▲御朱印を意識したパッケージには防犯啓発チラシが封入されている。8枚300円
「<自分は大丈夫>と考えている人こそ危ない。このせんべいを口にすることで特殊詐欺から身を守ることを忘れず、家族や友人に伝える手段としても活用してほしい」と伊谷社長。
社会貢献を念頭に、せんべいには警察章を刻印し、パッケージ内には大阪府警の啓発チラシを同封しています。玉手山安福寺の大崎住職は「ラベルは御朱印を意識した毛筆と印章を用意しました」と、寺としての工夫も。
発売に先がけ、3月22日に伊谷社長と大崎住職に大阪府柏原警察署から感謝状が贈られました。
▲柏原警察署から感謝状が贈られた。伊谷祐一いたに萬幸堂社長(右)と玉手山安福寺大崎信人住職(左)
いたに萬幸堂では今後もパッケージ内のチラシを変えるなど工夫し、啓発範囲を広げていきたいとしています。
玉手山安福寺では、5月24日(金)の「玉手山安福寺フードパントリー&マルシェ」に柏原警察署のブースを設け、また6月14日(金)の「お寺で介護者カフェ」においても防犯啓発を行う予定です。
三者のタッグによって生まれた「騙されませんべい」は8枚入り350セットを製造、4月1日から販売がはじまっています。柏原市今町のいたに萬幸堂 直売所井戸元をはじめ、スーパーヤオヒコなどでも購入できます。
大阪府警察サイト
「大阪府下の特殊詐欺認知件数と被害金額(令和5年中・速報値)」
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/seikatsu/tokusyusagi/hassei/12908.html
広報かしわら令和6年2月号
「【特集】次に狙われるのはあなたかも知れない 特殊詐欺にご用心!!」