特集

アユの戻ってきた大和川(2012.08.20)

アユの戻ってきた大和川

排水の見直しや河川の清掃活動など、 各方面の長期にわたる地道な運動によって徐々にとは言え、この大和川の水質が改善の兆しを見せていくことになります。

様々な努力の結果、 大和川の水質は平成22年(2012年)にBOD75%値で3mg/L にまで改善。これは、観測がはじまって以来最も小さな値で、 平成19年頃には、アユの産卵も確認されてきたそうです。

また、これとともに並行し、アユ資源維持を願った市民活動によるアユの放流も度々「実施されてきました。(ただしアユには様々な遺伝的集団があり、放流にはその点の注意が必要。)

平成16年(2004年)春には、大和川下流域で採集したアユ3尾と、翌17年(2005年)春、河内橋付近で採集したアユ15尾の「耳石」に含まれる元素を測定した結果、
それらのすべてが、遡上してきた天然アユであることが判明しました。

アユの戻ってきた大和川

アユの耳石には、その成長の履歴を示す木の年輪のような部分(日周輪)があります。子どもの時期に形成された耳石の一部に、海水に存在する物質「ストロンチウム」が多く蓄積されていると、海で成長し、川へと上ってきたことが、把握できるのです。

この測定は大和川のアユが大阪湾から遡上した天然アユであることを示す、大きな発見となりました。

アユの戻ってきた大和川
▲大阪教育大学 長田芳和名誉教授によって最近採集されたアユ

アユは、それ程清澄な川でなくても育つ魚ですが、 かつてはその生息すら確認できなかったのですから、 「天然アユの遡上」は、水質改善の事実とともに改善に向けた多くの人々の努力も示している、と言えそうですね。

ちなみに、これらのアユが食用にできるのか、とお考えの方もいらっしゃるかも知れません。今のところ体内に蓄積された有害物質の分析は実施されていないそうなので、自己責任による行動をとっていただくしかないとのこと。資源の保護も考えると、安易な乱獲はご遠慮いただいた方が、アユにとってもいいのではないでしょうか。

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かしわらイイネットの代表 兼 営業 兼 ライター。ロック音楽と石好きゆえ 転がり続けてン十年。今後はもっと地に足つけた行動をと言い聞かせる日々です。