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マイボトルだけでなく、地域の水資源を考える活動も(Refill大阪)

「持ち歩こう、マイボトル」と市民によびかける試みが、11月の「かしわら芸術祭」で行われていました。これは「Refill(リフィル) 大阪」という団体の取り組みです。

マイボトルに給水を

外出先でのどが渇けば気軽に水を飲める場所、マイボトルが空(から)になれば無料で水を補充できる給水機やお店。これを「給水スポット」と設定し、活用してもらう。

そのようなプロジェクトを市民団体・自治体・個人が全国に広げる協働プラットフォーム「Refill Japan(リフィル・ジャパン)」が、2019年5月にスタートしました。

 

Refill Japanには、2010年から10年以上継続、蓄積してきた市民団体「水Do!ネットワーク」による調査・普及活動がベースにあり、「1本のペットボトル飲料水の消費をやめて水道水を選ぶことで、CO2排出量を数十分の1から数百分の1にできる」という報告があります。(水Do!公式サイト による)

単に環境負荷の低減効果をうたうだけでなく、「飲むことを通して地域の水資源に関心を持ち、守ろう」という意識を持ってもらう取り組みも進めています。

水道水でいこう
▲地域の水資源に関心を持ってもらう取り組みも

 

もともと生駒市では自治体が給水スポットを設置していて、西日本では香川県で市民団体が積極的に展開しています。(下の写真は、石に関心のある筆者が2019年1月に偶然撮影)

生駒市の給水スポット 生駒市の給水スポット
▲生駒市では水道事業者が水道水のPRとともにマイボトルへの給水も促している

 

Refill大阪はNPO法人大阪府民環境会議が事務局として活動し、これまで天神祭、ロハスフェスタ(万博記念公園)などのイベントで給水ステーションを設置し、多くの来場者に喉(のど)を潤してもらい、水道水のおいしさ、環境負荷の低減効果を知ってもらう機会をつくってきました。

Refill Japanの給水スポットのもうひとつの特徴は、デザインのよい水飲み場として、町を魅力的にしようと考えている点。

曲面フォルムの青い給水機は水道直結で、数万人規模の大規模イベントにも対応可能。「直飲みタイプ」と「ボトル給水タイプ」が用意されています。

マイボトルに給水を
▲青を基調としたデザイン。左がマイボトルへの給水、右が直飲みタイプ

 

今回のかしわら芸術祭では、Refill大阪に参画する西村優子さん(柏原市在住)が、大阪産業大学デザイン工学部環境理工学科の学生とともに体験ブースを開いていました。

Refill大阪に参画する西村優子さん(柏原市在住)が、大阪産業大学デザイン工学部環境理工学科の学生
▲西村さん(左)と大阪産業大学デザイン理工学科環境理工学科の学生

 

オガタ通り商店街やカタシモワイナリーで給水ステーションを設置し、体験による啓発活動と、「日ごろマイボトルを持っているかどうか」などアンケート調査を実施していました。

「日ごろマイボトルを持っているかどうか」などアンケート

アンケートは学生が実習のために行っていたもので、この結果をとりまとめ、今後の学びにつなげていきたいとしています。