例年以上の猛暑が過ぎ、10月半ばでも秋の足音はゆっくり。そんな今年は、震度7の揺れを観測した「令和6年能登半島地震」から始まりました。
マグニチュード7.6の大地震によって、石川県で確認された死者は関連死を含め200人を超えています(10月15日現在)。さらに建物の倒壊や火災、津波、地盤の隆起など、各地で甚大な被害をもたらしました。
復旧の道のりが遠い現地の状況に、大阪の柏原から何かできることがないか。支援の輪を広げようと、関西福祉科学大学社会福祉学部 福祉創造学科南ゼミ(16人)では、このたび「能登半島支援ステッカー」を制作。寄付を募る活動に取り組んでいます。
社会福祉士をめざす日常の合間に、学生同士で意見交換の場を持ち、ステッカー完成に至りました。
▲10月13日の「おいな〜れ国分祭」より
企画のきっかけは6月。秋の学園祭で、たい焼き販売の模擬店を運営することが決定し、さらに「自分たちならではの企画を実施したい」と学生の声があがりました。単にたい焼きを販売するだけでなく人の役に立つこともしようと、企画に能登支援の活動を練りこむことに。
ひとりの学生が、能登地方では質のいい日本海の水を活かした「能登塩(のとしお)」が名産であることに着目。塩バターあんこのメニュー作成から始まりました。
さらにステッカー作成案が浮上。グラフィックが得意な学生が制作に取りかかり、7月から本格的にスタートしました。ステッカーは大小の2サイズを制作しています。
▲安福寺の出張除夜の鐘をついてもらって理解を得る
10月13日には、国分にある大和川親水公園の「おいな〜れ国分祭」に参加。国分西にあるtant-tantのブース内で募金活動を繰り広げました。
地域の人びとに活動の理解を深めるため、玉手山にある安福寺の大崎住職とともに「出張除夜の鐘」も来場者に鳴らしてもらって、募金とステッカー配布にも取り組みました。
ブースからの呼びかけは初めてという学生も。学生ボランティアサークル「輪」のサポートも得て、呼びかけに緊張しながら、この日は100人以上の来場者に配布。
当日の反省会のあと、10月17日にはゼミの講義内で、対面による直前の打ち合わせを行いました。学園祭当日は、たい焼き販売・鐘を鳴らす・募金活動と、3つの要素があるなかで、ステッカーの渡し方に重点を置いた議論に。
「おいな〜れ国分祭」における方法と結果を皆で共有し、「ステッカーだけ渡すのはどうか」「いかに不公平感をなくすか」「呼びかけの工夫をどうするか」という課題とともに、たい焼きの販売手法について、時間を長く費やしました。
▲細部を確認しながらテンポの速い議論が次々と展開された
さらに全員が着用するTシャツは、プロジェクターでTシャツ制作サイトを掲示。あらかじめ決定していたデザインが、どの色に合うかを皆で決め、その場でネット発注をかけました。
▲プロジェクターで映し出されたTシャツ制作サイトでプレビュー。色を決定したあとにその場で発注
この日、会議を進行した代表の椿原大輝さん(3回生)は「能登地方の地震が、時間が経つにつれ遠い現実になるのではないかという危機感がありました。この取り組みによって、私たち学生も含め、地域の皆さんにもあらためて認識していただると幸いです」と話しています。
▲会議を進行した代表の椿原さん(左から2人目)
なお、おいな〜れ国分祭と学園祭で集められた募金および、たい焼き販売の経費を除いた売上全額は、令和6年能登半島地震 柏原市災害支援対策協議会を通じて被災地に届けられることになっています。
南ゼミの模擬店含め、多くのブースやステージなど企画満載の関西福祉科学大学・関西女子短期大学の学園祭「美葉祭」は10月26日(土)・27日(日)、同大学キャンパス内で開催。
今年は通算20回目を迎え、その記念祭としても学生の皆さんや教員が多くのコンテンツを用意しています。お楽しみに。
2024年10月26日(土) 27日(日)
関西福祉科学大学・関西女子短期大学 第20回美葉祭 特設サイト
https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/special/viva/
※最終更新 2024.10.21. 13:50