「違いがわかる男」。このコピーにピンと来るのは、ある一定の年代かも知れません。
現在ではジェンダー的にどう?と言う声も聞こえてきそうですが、スキャット(歌)の流れるコーヒーのCMには名高い作家などが出演し、2000年代あたりから女性も出演するようになって次第に見かけなくなりました。
それはさておき、豆からコーヒーを数種類楽しめる焙煎所が柏原市太平寺にオープンしました。その名も「柏原珈琲焙煎所(KASHIWARA Roastery)」。
ドリンクのテイクアウト、焙煎された豆や粉の販売で、コーヒー通やそうでない人たちにも広がっています。筆者はどちらかと言うと後者で、焙煎や豆についてはまだまだわからないことばかり。少しでも知ろうと12月から3回通いました。
数種類の豆が用意されていて、中には「かしわらブレンド」「かわちブレンド」というブレンドコーヒーも。
メニュー表にはそれぞれの豆の特徴(生産国や味わい)、酸味・苦味の目安が表示されているのがわかりやすい。
とは言え、「コーヒーだから体のなかで重みを感じるのでは?」という先入観が筆者にはありました。そんな理由で最初は名前にもひかれて、マイルドとされる「かしわらブレンド」を。
先入観は見事に覆されました。スッキリした味わいでもたれるようなことはありません。コーヒーって香りを楽しみながら、こんなに心地よく飲めるのかと。
2回目には苦味のある「かわちブレンド」を。これも苦味が逆にたのしめる。不思議です。
ブレンドなので、次第に豆の内容が気になってきました。
「かしわらブレンド」はブラジル、コスタリカ、ホンジュラスのブルボン、カツーラ、カツアイ種、「かわちブレンド」にはここにインドネシアのP88という豆が含まれています。
▲それぞれのメニューに原産国・品種・精製方法など丁寧な説明も
精製方法も記載されていて、お店の用意したメニュー表にある丁寧な説明が助かります。
豆や精製方法で味わいの異なるブレンドコーヒーから豆に関心を持つようになり、3回目にはホンジュラス ピノ・デ・オロ農園産だけでいただきました。
▲室内の和室はレンタルスペース(撮影用に上がらせていただきました)
さらにこの日(昨日)は、偶然同じ豆でペーパーフィルターと金属フィルタそれぞれの試飲もありました。
どちらかと言えば、金属フィルタによる味わいがまろやか。これは焙煎による生じた油脂をペーパーフィルタが吸い込みがちで、金属フィルタでは油脂をそのまま通すのが要因だそうです。
初心者の筆者はそんな話だけで「コーヒーって深いな」と思えます。いずれもフルーティーな酸味があって、これまでいただいたブレンドとの違いがわかります。
ぶどうでも品種やその年の出来で、ワインの味が変わりますが、それに近い話でしょうか。
店主の辰巳さんも、サラリーマン当時に立ち寄った南阪奈道路沿いの「道の駅」で、たまたま焙煎コーヒーに出会ったのがきっかけでした。
▲柏原焙煎所の辰巳さん
「モカはこれまでも口にしたことがありましたが、その時のモカが全然違う味わいで驚いたんです」と、その日から次第に焙煎コーヒーにのめり込んだそうです。
学びを重ねに重ね、昨年春の定年退職後からは焙煎機の手配など準備を行い、自宅の一部をリノベーション。11月12日にオープンの運びとなりました。
実は辰巳さん、チョコレート販売などの「株式会社河内屋」代表取締役にも現在就かれています。丸い箱にたくさん詰まったアーモンドチョコが大好きで、よく購入していたので、後から知ってびっくり。
▲基本的にドリンクはテイクアウトです
近年は焙煎コーヒーショップ、個人で楽しむ焙煎も珍しくありません。ちなみに冒頭に挙げたCMが現在流れないのはジェンダーでなく、「インスタントコーヒーのイメージを消したい」から、だとか。
とは言え、柏原にこのような焙煎所ができたのは新鮮。筆者はまだまだ「違いがわかる」領域まで到達していませんが、コーヒー豆それぞれの持つ味わいにハマりそうです。
(※下記営業日にご注意ください)
2012年に「かしわらイイネット」を設立。地域の情報発信をはじめSNS講座講師、各種講座の主催も担う。趣味は音楽、天然石探しなど、いずれもロック。
店名 | 柏原焙煎所(KASHIWARA Roastery) |
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場所 | 柏原市太平寺1丁目7−11 |
営業時間 | 毎週木・金・土の各12時〜18時。 最新情報は下記Instagramをご覧ください |
アクセス | |
公式サイト | Webサイト https://kashiwara-roastery.kawachiya2332.com https://www.instagram.com/kashiwara_roastery/ |