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色と味覚から「虹の雫」に。大阪産オリジナルぶどうの愛称が決まる

虹の雫(しずく)ポンタ 愛称表彰式

 

大阪産オリジナルぶどう、ポンタシードレス(ポンタ)の愛称が「虹の雫(にじのしずく)」と決まり、8月18日に大阪市にある天王寺公園で行われた「大阪ぶどうエキスポ2023」で披露されました。

ポンタの歴史は50年前に遡ります。1973年(昭和48年)に大阪府立環境農林水産総合研究所(おおさか環農水研)で巨峰とブロンクスシードレスの交配で開発。

栽培時期によって果実の色が淡い赤、黄緑、黄と異なるのが特徴で、粒は巨峰より小さいものの、糖度20度にも達する濃厚な甘みに芳醇な香りが伴っています。

 

虹の雫(しずく) ポンタ 大阪産オリジナルぶどう
▲大阪産オリジナルぶどうのポンタ・虹の雫。芳醇な香りと濃厚な甘味がある

 

が、色あいの統一感や当時のジベレリン処理の課題から一時は開発を断念。原木も伐採されました。その後、大阪のぶどうを世に送り出す機運が高まり、ポンタが再び注目されることに。原木はなかったものの、交野や柏原のごく一部の農園に提供されていた苗木から復活したものです。

2018年(平成30年)にはPopular Nice Taste(非常にすぐれた味)の英文字からPONTAと名づけ、商標登録に至りました。

 

虹の雫(しずく)ポンタ
▲おおさか環農水研のパネルより

 

しかしながら、類似のポイントサービスの名称があることから「もっと消費者に伝わりやすい名前を」と、産官学で構成される「大阪ぶどうネットワーク」が愛称を募集。5月24日から6月30日まで一般募集し、790の応募がありました。厳正な審査の結果「虹の雫」と決定したものです。

 

虹の雫(しずく)ポンタ 愛称表彰式
▲790の応募から決まったのは大阪市在住の浜本さんによる「虹の雫」

 

8月18日の大阪ぶどうエキスポでは表彰式も行われました。名づけ親は大阪市在住の浜本さん。「虹のように色が変わるのが特徴と知り、天から舞い降りてくるように<虹の
雫>という言葉が浮かんだ」と笑顔で話していました。

 

虹の雫(しずく)ポンタ 愛称表彰式
▲大阪府果樹振興会 天野映会長より表彰

 

大阪ぶどうネットワークの構成団体で、大阪府果樹振興会の天野映会長は「デラウェアなど大阪を代表するぶどうとともに、未来ある大阪オリジナルのぶどうにふさわしい名前を選んだ」と、名称の響きに太鼓判を押しています。

長く開発にかかわる、おおさか環農水研の三輪主任研究員は「今回選ばれた名前をきっかけに、虹の雫を生産者にも消費者にも理解を得て、さらに第二、第三の大阪産オリジナルぶどう開発をめざしたい」と、今後の開発にも意欲を示していました。

「虹の雫」はまだ一部の生産者に限られていて、大阪府果樹振興会では専用の直売所マップを制作し、今後の育成推進と消費拡大に努めるとしています。

 

虹の雫(しずく)ポンタ