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森林保全と経済循環の仕組みづくりを【第2回柏原市森林循環フォーラム】

第2回森林循環フォーラム

 

町の3分の2が山間部の柏原市。森林の85%は雑木林か竹林で、近年になって竹林が拡大しています。耕作放棄地のぶどう畑で増加した竹林が、森林へ侵入する状況にもなっています。

そこで、柏原市の森林を守り地域経済を循環する仕組みを作ろうと、柏原市森林保全検討会が設置されました。専門家、森林所有者、森林関係団体、企業などで構成され、今後の課題解決に向けた情報共有や交流の場づくり、創発ができる場づくりの方針が示されています。

 

柏原市森林循環フォーラム
森林の将来に地域のプラットフォーム構築を【柏原市森林循環フォーラム】柏原の森林保全と地域の関わりを考える「柏原市森林循環フォーラム」が10月15日、柏原市役所会議室で行われました。森林所有者や活動に携わる当事者、あるいは関心のある60人ほどの市民や学生、オンライン対応で幅広い参加がありました。...

 

方針に基づき、8月20日には「第2回森林循環フォーラム」が開かれました。参加者は66人。

 

第2回森林循環フォーラム
▲団体・個人など66人が参加。大会議室は満席に

 

はじめに大阪大学大学院工学研究科招聘(へい)教員・ひょうご持続可能地域づくり機構(HsO)代表理事の畑中直樹さんから「みんなで柏原の森林を盛り上げていくには?」と題する講演が行われました。

第2回森林循環フォーラム
▲「地域の関わりを大切にし、今後のプラットフォーム設立へ」と畑中さんの提言

 

国内や海外の森林事業の例を示したあと、「柏原市の経済においては地域外への支出が多い」と分析した上で、畑中さんは「森林の持続には今ある地域の多様な関わりを大切にし、森林を通した経済循環や社会活動が欠かせない」と強調。

「森林所有者や市民、団体によるプラットフォーム設立や人材育成、森林所有者や企業の関わり、持続可能性の課題解決が必要」との提言がありました。

畑中さんの話は下記も参考にしてください。

自然から持続可能性を考え、課題を共有する「自然環境保護フォーラム」100年先の子どもたちに柏原市の自然環境を残すため、課題を共有する「自然環境保護フォーラム in 柏原」が2月4日、リビエールホールレセ...

 

次に、7月に発足した柏原森学生(モリガク・大学生による森林活動プロジェクト)の発表。大阪教育大学や関西福祉科学大学の学生19人が2グループに分かれ、活動に向けた準備を進めています。現地見学や議論の末にまとまったアイデアが示されました。

第2回森林循環フォーラム
▲キャラクターもつくり、皆が楽しめるアスレチックなどを発案した「チームモクイくん」

 

第2回森林循環フォーラム
▲月1回のファミリー層へのイベント企画を考えたウメちゃんず

 

第2回森林循環フォーラム
柏原森学生[モリガク]がスタート。学生が森林活用に提案と実践へ
柏原森学生[モリガク]がスタート。学生が森林活用に提案と実践へ 地域の森林を守り、資源の循環をつくるために学生に関わってもらおうと、柏原森学生[モリガク]がこのたび発足。その任命式と顔合わせが...

 

さらに柏原市産業振興課の諸岡充さんからは、令和6年度に始まる森林環境譲与税を踏まえ、「森林保全のためのプラットフォーム設立で相互連携と地域経済循環の解決を図りたい」と今後の方針を含めた説明も。

 

後半は、15の市民団体や行政機関、企業によるポスターセッション。

出席団体は以下のとおり。(順不同)

特定非営利活動法人 ディーセントファーム
特定非営利活動法人 ナック(NAC)
大阪柏原ロータリークラブ
大阪府立環境農林水産総合研究所
オガタの森
大阪府森林組合
かしわら水仙郷を育てる会
かしわら森の会
柏原市役所
柏原竹林研究会
柏原森学生(モリガク)
カタシモワインフード株式会社
共栄精工株式会社
里山ボランティア鎮竹林
ネイチャークラフト マルタくん

 

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1回10分程度のポスターセッションが3クールあり、事例発表や意見交換が活発に行われました。

個人で参加した女性は「地域循環に関心があり他県への移住を考えていましたが、柏原市にこれだけの団体が存在したとは知りませんでした。皆さんの活気ある発表に感動を覚えています」と驚いた様子。その後の交流会では、柏原森学生のグループに加わっていました。

 

第2回森林循環フォーラム
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▲その後の交流会も終始なごやかに

 

柏原市森林保全研究会では、これを機に団体や企業、森林所有者などへさらなる参加を募集し、プラットフォーム設立へ向けた動きを加速化する予定です。