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「柏原のはちみつ」を。ぶどう農園主が新たなチャレンジ【山国ぶどう園】

山国ぶどう園

 

先日ご縁があって柏原市内で養蜂場を構える山国ぶどう園さんを訪問しました。

個人的になぜだか昔から養蜂場に興味があった筆者。夢だった養蜂の見学ができ、とにかく嬉しくて、若干興奮状態で記事を書いています(笑)自分の目で直接見たい、と取材に同行。

 

早速、農園主の山本さん(写真トップ)に養蜂場を見せていただきました。

大阪平野が一望できる小高い丘に巣箱が置いてあり、ミツバチが出たり入ったりしています。今はオフシーズンでミツバチもあまり活発に動いていませんでしたので、巣箱に近づいて観察することができました。

 

こちらでは、養蜂のほとんどがセイヨウミツバチで、一部ニホンミツバチも養蜂しています。山本さんからミツバチや集蜜についていろいろなお話をうかがうことができました。

一匹の働き蜂が一生に集蜜出来る量は小さいスプーン一杯だけ。セイヨウミツバチは年に3〜4回採蜜でき、集蜜力も高いのに比べて、ニホンミツバチは年にたった1回の採蜜しかできないので、さらに希少価値が高くなるそうです。

セイヨウミツバチは養蜂用に輸入されたものですが、ニホンミツバチは在来種なので野生の群れを捕獲し養蜂しています。

 

山国ぶどう園ミツバチ

 

ミツバチの天敵はオオスズメバチ。外来種のセイヨウミツバチはオオスズメバチに攻撃されたら対抗策がなく、一日で全滅することもあるそうです…。その点でニホンミツバチはオオスズメバチから攻撃されたら、集団でオオスズメバチに球状に集まり、身を震わせ熱を発して熱で殺す「熱殺蜂球」という必殺技を持ち合わせているとか。撃退できるそうです。

 

ニホンミツバチはセイヨウミツバチに比べて繁殖能力も劣るため、本来なら他の在来生物のように外来種に住みかを奪われるところですが、意外にもオオスズメバチの存在で絶滅の危機から免れているそうです。

ニホンミツバチにとって、天敵であるオオスズメバチが最強の味方になっているなんて…
大変興味がわきました。

 

山国ぶどう園は除草剤を一切使用せず、ヘアリーベッチという緑肥を使用してぶどうを栽培されているそうです。ヘアリーベッチの花からも良質のはちみつが採れる事を知って、昔から興味のあったミツバチを飼おうと思いつき養蜂を始められました。

養蜂を始めて3年目に入るそうですが、一年目の冬には寒さでセイヨウミツバチが全滅してしまうなど、いろいろと苦労もありながら養蜂を続けていらっしゃるのは、山本さんの養蜂愛がそうさせるんだろうなぁと、感じました。

 

山本さんより、大切に育てられたセイヨウミツバチが集めたはちみつとニホンミツバチが集めたはちみつのサンプルを試食させていただきました。

 

山国ぶどう園 はちみつ
▲山国ぶどう園「日本蜜蜂のはちみつ」「百花はちみつ」(2021年2月現在、在庫はありません)

 

 

セイヨウミツバチのはちみつはサラっとしてスッキリした甘さが特徴ですが、ニホンミツバチのはちみつは(記憶にある中で口にしたのは今回が2回目)濃厚で熟成されたような感じ(チーズやワインを想像させる感じ)とやわらかい酸味を感じる味でした。

こちらのはちみつは柏原周辺の様々なお花の蜜を集めてきたミツバチのはちみつなので、「百花蜜」で、季節によって色や風味が変わるそうです。

 

柏原周辺で取れたはちみつなんて、感慨深いですね。山国ぶどう園のはちみつは、山本さん自身が採蜜からビン詰めまで行っている正真正銘の100%非加熱無添加の国産天然はちみつです。ラベルは奥様がデザインされたそうです。

ぶどうの花からはちみつが出来ないかと質問したところ、ぶどうの花には蜜がない!のだそうです。残念!!

 

今はシーズンオフなので販売されていませんが、3月過ぎた辺りからシーズンになるそうです。シーズン中にぜひまた見せて頂きたいと思います。この度はミツバチやはちみつのお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました!

 

山国ぶどう園
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