厳しい寒さに見舞われ、未明から早朝にかけての積雪という天候のなか、柏原シクロクロスが2月12日に開催されました。主催は関西シクロクロス実行委員会。
シクロクロスとは、自転車を使ったクロスカントリーの要素のあるレースで、冬季に開催されるもの。会場の環境によって、坂や林間、砂場など変化に富んだコースが設定され、タフな体力とスピードを要求される過酷なレースです。
今回の柏原シクロクロスでは、市役所大和川河川敷の南側を使ったため、南北に長いフラットな設定となりました。
そのなかでカーブを施したり、シケインやステップなどの障害物、砂場が置かれ、時には(常に、の場合も)自転車を担がないとクリアできないといけないので、その後の「飛び乗り」というスキルも大切になってきます。
性別や年齢、レベルによってクラス設定があり、最もレベルの高い男性クラスがC1。C1では男性1時間、女性40分という競技時間を目安に、ゴールライン通過時の順位で優劣をつけます。
柏原市では、ヨーロッパなどでも勝負する竹之内悠選手が所属し、シクロクロス用自転車の製造やe-BIKE、e-MTBにも精力を注ぐ東洋フレーム、また、パナソニックサイクルテックでもシクロクロスを専門体制としたオーダーメイドにより、自転車を製造しています。自転車産業があるここ柏原でシクロクロスが行われることに。
本来関西では10戦程のシリーズを組まれ、柏原ではシリーズポイント対象外で実施されました。
前日には「シクロクロス東京」というビッグレースが東京お台場で行われており、そこで東洋フレーム所属の竹之内選手と、全日本シクロクロス選手権チャンピオンである小坂光選手が争い、竹之内選手が優勝を飾るという熾烈な勝負が繰り広げられました。
疲労が残るなか、夜間に柏原市へ移動するという強行日程で、その両選手が柏原市で再び走るというものですから、自転車ファン、特にシクロクロスファンにとってもたまらない一日だったようです。
参加者のレースにかける意気込みは大きく、市役所横駐車場には一宮(愛知)や滋賀、和歌山ナンバーの自動車が見られるなど、その光景だけでも意気込みが感じられるものでした。
ブースには自転車企業以外に、タベルナエスキーナ(今回はぱん処ちどりのパンを販売)、カタシモワイナリー、中国料理山丁などが、柏原ならではの出店。
この日、河川敷では積雪以外に低温と強風が吹くというコンディションのなか、男性だけでなく、女性や子どもたちもこのタフなレースに参加。その姿に、筆者自身はコース移動するなか丸一日観戦していたのですが、ギャラリーの声援含め、寒空の下でも熱い空気が流れていました。
C1クラスでは、前述した竹之内選手と小坂選手の一騎打ちに。5段階のバニーホップと呼ばれるステップ攻略で引き離す竹之内選手に、小坂選手が食い下がり、最後のスプリントで逆転するという結果となりました。3位には関西クロス年間チャンピオンの川村選手。
その他のリポート・成績については、下記関西シクロクロスブログをご参照ください。
http://kansai-cyclocross.hatenablog.com/entry/2018/02/15/003900
柏原市を拠点とするTRAILBLAZER(相互フォローによる協賛チーム)は、C4において福本選手が見事優勝し、C3への昇格が決定しています。TRAILBLAZERはシクロクロスのみならず、今後の自転車競技においても、ますますの発展を祈る次第です。
▲TRAILBLAZERからご提供
筆者はこのシクロクロス自体を初めてほぼ一日観戦したのですが、参加者やメーカー、観客、主催者(関西シクロクロス連盟)それぞれの立場において熱意があり、卓越した技術や強靭な精神力を見せられたことに、大きな刺激を受けた一日でした。