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「ぶどう畑の風景を未来につなげる」農業と企業がアグリパートナー連携

アグリパートナー調印式

100年前、大阪は日本一のぶどうの産地でした。

昭和の高度経済成長期を経て都市化し、ぶどう栽培農家が減少。近年は、柏原市でも高齢化による遊休農地や担い手不足の問題を抱えています。

 

カタシモワインフード株式会社では、このような地域の問題を解消し、大阪が100年後もぶどうとワインの産地であり続けるため、「ぶどう畑の風景をみんなで未来につなげるプロジェクト」を立ち上げました。高齢農家や若手生産者をさまざまな企業や事業者、市民とともに支援するものです。

大阪のワインは6月30日、国税庁から「GI(ジーアイ・地理的表示)大阪」が認定され、一定の基準を満たして審査を経たワインが「大阪」を表示できるようになりました。機運も熟し、今回のプロジェクトにも弾みがついているところです

 

カタシモワイナリーの畑から

 

ぶどう栽培を続けるなかで一番の課題は夏の収穫。

高齢者にとっては負担が大きく、世代を問わず他の栽培に時間を費やせない作業です。その収穫を地域貢献を行う他企業との連携で実施しようと、大阪府が掲げる「アグリパートナー制度」の調印式が7月13日、カタシモワインフード株式会社で行われました。

 

アグリパートナー調印式
▲大阪府からアグリパートナー制度の概要を説明

 

 

大阪府のアグリパートナー制度とは、今年度から設置された「大阪農業つなぐセンター」が、企業と農業のマッチングを行う仕組み。

ここ最近の生活様式の変化もあって「農のあるライフスタイル」への関心が高まりました。

具体的には、新規の就農相談とハートフルアグリサポートセンター(農と福祉の連携)の担い手確保に加え、マルチワークで農業に取り組む市民や副業に農業を取り入れる企業などと、本業とする農業者とのマッチングを行っています。

 

今回は「農業体験・ボランティア」分野として初めての事例。八尾市の新田ゼラチン株式会社と日本たばこ産業株式会社 大阪支社八尾支店、カタシモワインフード株式会社、大阪府による調印式でした。JA大阪中河内営農総合センター・柏原市産業振興課・大阪府中部農と緑の総合事務所も立ち会うなかで実施されました。

 

アグリパートナー調印式
▲署名するカタシモワインフード株式会社高井社長(左)と新田ゼラチン株式会社尾形社長(右)

 

 

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▲日本たばこ産業株式会社 大阪支社八尾支店 山下支店長(左)も署名

 

 

新田ゼラチン株式会社では、社会貢献として「ESG」<環境(Environment)、社会とのつながり(Social)、ガバナンス(Governance)に関する取組み> をすでに掲げており、日本たばこ産業株式会社では「ひろえば街が好きになる運動」と名づけた清掃活動などを全国的に展開しています。

 

アグリパートナー調印式
▲最後に大阪府環境農林水産部農政室 原田室長によって署名を締結

 

 

今回の調印式を経て、8月上旬には2つの農家での収穫が実施され、本格的にプロジェクトが始まります。かしわらイイネットでは、この先のプロジェクトの様子も取材していきます。

 

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