キラキラした蜂蜜の瓶がきれいに陳列され、まるで蜂蜜のテーマパーク。
市役所や本能寺、錦市場商店街などがほど近い京都市中京区に、はちみつ専門店「miel mie(ミールミィ)三条本店」があります。
▲miel mie(ミール ミィ)三条本店
こちらを訪れたのは、柏原市で採蜜されたさくらの蜂蜜が販売されていると知り、取り寄せたことがきっかけでした。
(写真左:2020.4.23採蜜のNo.0155←こちらのナンバリングについては後ほど!)
▲筆者が取り寄せたミールミィの蜂蜜
すると、今度は4月10日に柏原市で採蜜されたばかりの「さくら」があることを知ったのです。17日にすぐ取り寄せ!(写真右:No.0170は完売)
柏原市でさくらやふじ、あかしあの蜂蜜が取れることに驚き、ぜひお話をうかがいたいと思いましたが、緊急事態宣言中で難しいかな、と半ば諦めてました。
(注)2021年5月の取材内容です。すでに下記メニューは終了しています。
しかし!
「miel mie三条本店」に併設するカフェで、
厳選された蜂蜜を使い、チーズケーキ専門店「ソラアオ」などとコラボした3種のスイーツプレートが期間限定で販売
というニュースが飛び込んできました。なんとそのチーズケーキに柏原市産のあかしあ蜂蜜が!
たくさんの蜂蜜を扱うなかで、なぜ柏原市産のあかしあ蜂蜜?と、柏原情報を発信する仕事として、5月31日の最終日までにお話をうかがいたい!
アポイントメントを取ると快諾していただき、今回の取材となりました。
▲何種類もの蜂蜜が鮮やかに陳列されている(下に並んでいるのはプッシュ式ボトルの試食用)
対応していただいたのは、広報の市川睦美さん。
「miel mie三条本店」を展開する金市商店は1930年創業、昨年90周年を迎えられた老舗。創業当初は和菓子材料問屋でした。和菓子材料問屋が蜂蜜専門店となったのは、戦後砂糖が手に入らなくなり、当時すでに扱っていた蜂蜜が砂糖代わりになり、重宝されたのがきっかけ。
現在は3代目社長で自ら「ハニーハンター」と名乗る市川拓三郎さんが日本中の養蜂場を訪れ、直接買い付けています。場合によっては養蜂家と一緒に採蜜を行うこともあるそうです。ご自身で採蜜することは、蜂蜜の品質を確認する意味でも重要なんですね。
▲関西テレビ「よ〜いドン」で「スゴ腕ワーカー」として紹介された3代目市川拓三郎さんが蜂蜜を厳選
1年間に出会う蜂蜜は300種類以上。春から夏にかけては採れたての生蜂蜜に力を入れ、自らの目と舌で選び抜いた蜂蜜だけを販売しています。
養蜂家は花が咲く季節と場所に合わせて養蜂箱を設置して採蜜するのですが、他の花蜜と一切混ざらないように採蜜時期を見極めるのはとても難しく、かなりの技術が必要というのも大変興味深いです。
ですので、同じ植物から採蜜しても年度や場所が違えば味も全然違う。その違いを知ってもらうためのナンバリングなのです。すでに昨年で60ほどナンバリングし、当面の目標は1000だそうです。
▲それぞれのラベルにナンバリングされたデザインとなっている
さらに蜂蜜の魅力をより深く伝えようと、2013年3月には店内にカフェを併設。趣向を凝らした店舗経営が行われています。
▲蜂蜜とフルーツだけで作ったハニーレモンソーダ。優しい甘さでレモンの爽やかさが際立って美味しい!
そうそう、大事な質問を忘れていました。
柏原市産の蜂蜜ってどこで採蜜? 誰が採ってるの? (柏原市で花別の蜂蜜が採れるの??と筆者が一番驚きました…)
さらに、なぜ今回のスイーツプレートに柏原市産のあかしあ蜂蜜が選ばれたのか?
なんと広報の市川睦美さんは柏原市のご出身! そしてハニーハンター市川拓三郎さんのパートナーなのです。京都の老舗に柏原市から嫁ぎ、子育てしながらのお仕事と生活の日々をお聞きし、感動してしまいました。
柏原市にはさくらやふじ、あかしあ を採蜜する移動養蜂家が来られるそうです。(移動養蜂って、恥ずかしながら初めて聞きました。全国をまわって採蜜する方がいらっしゃるんですね)
ある日、その移動養蜂家から採蜜の声がかかったときのこと。指定された場所へ足を運んでみると、何とそこが睦美さんのご実家のすぐ近くとわかってびっくり(!)
No.170の柏原市産さくらも、そのような不思議なご縁があって採蜜されたのです。
▲柏原産だけで試食。隣のプッシュ式ボトルは実際の試食用。0170は完売の柏原産はちみつ
今年の4月10日に採蜜し、採れたての風味香る「ローハニー」(生蜂蜜)として同月17日に販売。今年は春の訪れが早く、ミツバチの動きも早かったことから過去最速の商品化だったとか。
ただしスイーツプレートで柏原市産を選んだのは、単に柏原市出身だからではなく、香りがよくて、あかしあ の中でも華やかさのある甘みをもつ、質の良い蜂蜜であることが大きな理由でした。
スタッフとともに試食し、厳選した上での選択。そこはやはり老舗かつ名店のスタイルなのですね。
▲わかりやすくするため「味わい・香り・糖度」によって5種類に分けている
あかしあ蜂蜜の味比べも体験させていただきました。
▲今度はあかしあだけで食べ比べ(ハンガリー産を撮影し損ねてしまいました・・・)
柏原市産のほかにも、秋田県大館市産、ハンガリー産の3種類。どれも同じ「あかしあ」なのに、すべて違う!
ハンガリー産は普段口にするザ・あかしあ蜂蜜、大館市産はスッキリした雑味のないクリアな感じ。柏原市産は花が見える味(これが「華やかさがある」ということだと思いました)。聞けば聞くほど蜂蜜って奥深い!面白い!ちょっとワインにも通じる点がある!と思いました。
ご自身が今まで出会ったなかで印象に残っている蜂蜜は、No.0056 秋田県大館市産のあかしあ。
透明で味もクリア、それでいて「あかしあ蜂蜜=シンプル」という今まで抱いていたイメージが覆った蜂蜜とのこと。年度違いでNo.0153(上の写真・真ん中)がありますが、No.0056はさらに透明だったそうです。残念ながら完売。
「完売したら二度と同じ蜂蜜に出会えない」
というのも魅力を感じるポイントですね。
▲スタッフの方が手にするのは、No.0160「ふじ」(柏原市)
ひととおりお話をお聴きしたあと、カフェで待望のチーズスイーツ3種類のスイーツプレートを。
まず1つ目は、京都のチーズケーキ専門店「ソラアオ」の”京都水尾ゆずチーズケーキ”に、柏原市産あかしあ蜂蜜(No.0169)
「ソラアオ」のパティシエ福本大二さんは、信頼できる食材だけを使い、世代を問わず食べられるチーズケーキづくりを目指しています。その考え方や方向性が「ミールミィ」と一致したことから、今回のコラボが実現しました。
チーズケーキは「幻の柚子」と言われる京都水尾のゆずの酸味が爽やか。柏原市産の華やかな風味のあかしあ蜂蜜が、ゆずの酸味を引き立てていました。(下の写真・右)
2つ目は、プリンの女王磯貝由起さん監修”チーズプリン”にメキシコ産オレンジ蜂蜜(No.0005)
3万店以上のスイーツを知り尽くす「プリンの女王」が選んだチーズプリンです。(上の写真・左)
マスカルポーネを使用したプリンはコクがありミルキーなプリンで、上にはアーモンドで出来た蜂(チーズケーキにも飾られており、工房で一つ一つ手作りされてるそうです。)と、カットされた巣蜜が飾られてなんとも可愛らしく贅沢な一品。そこへオレンジ蜂蜜をかけて頂くと、不思議なくらいよりコクを感じます。
3つ目は、ミールミィオリジナルソフトクリーム with ダブルチーズにフランス産ひまわり蜂蜜(No.0025)
あっさりしてるのにミルクのコクをしっかり感じられるソフトクリームに、塩気のあるミモレットとコーダチーズが添えられています。そこへ、リッチタイプのひまわり蜂蜜を。筆者が今まで食べたなかで最も美味しく思いました。(上の写真・右)
リッチタイプは本来濃さがあるのですが、後味はすっきり、穀物の香ばしさのような甘さを感じました。この蜂蜜めっちゃ好きかも。(購入してしまいました)
スイーツプレートはどれも蜂蜜の特徴が活かされていて、それぞれのスイーツの美味しさが倍増する、なんとも豪華なマリアージュ。蜂蜜もメインになり得そうと、すっかりその魅力に引き込まれました。
市川さんにとって蜂蜜の魅力を尋ねると、「子どもから大人まで誰もが楽しめ、さらに広がりを期待できる」点にあるそうです。このコラボ企画自体がまさに「広がり」を感じるプレートでした。
今回のプレートは5月31日までですが、カフェでは、ほかにも13種類のはちみつの食べ比べができる「贅沢ハニートースト」、砂糖は使わず「はちみつとフルーツだけで作ったナチュラルドリンク」なども愉しめます。
すべてのドリンクやフードに8種類のはちみつがかけ放題、というのもサービス満点の驚き。
▲テーブルにはかけ放題のはちみつが常時置かれている
▲蜂蜜の「はかり売り」も。すでに完売の0170はあとわずか
今後も様々な企画をされるので、気になる方は最新情報をチェック、自由に足を伸ばせるようになったら訪れてみて下さい。
ネットショップやクラウドファウンディング(クラファンも5/31まで)も展開されてますので、お取り寄せも可能です。
CAMPFIRE
● ハニーハンター厳選!採れたての新蜜をローハニー(生蜂蜜)でお届け
https://camp-fire.jp/projects/view/405504
市川様、miel mie三条本店の皆様、この度は誠にありがとうございました!
好奇心旺盛、高いコミュニケーション能力、フットワークの軽さ。これらを取材に活かし、主婦目線・市民目線で「これいいな!」と思ってもらえるライティングを心がけます。
ミールミィ 三条本店
京都府京都市中京区中之町21
営業時間 10:00〜19:00
(日・祝 11:00〜19:00)
TEL: 075-221-6639
Web: https://miel-mie.com
※阪急うめだ店にも店舗がありますが、品揃えが違う場合があります。ご了承ください。