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これからの人生をどう生きるか。「縁起でもない話をしようかい柏原」が発足

縁起でもない話をしよう会

「縁起でもない話をしようかい(会)」。どこか怖そうなタイトルですが、これからの生き方を考える上で大切な話があると聞いて、7月27日、会場である柏原市立市民プラザ大会議室に参加してきました。

発起人は、法善寺にあるリバティ薬局代表 吉本さん、合同会社Feels代表 神崎さん、玉手山安福寺住職の大崎さん。医療、福祉、宗教(仏教)の立場から、この会を立ち上げました。

はじめに、発起人を代表して吉本さんからあいさつ。吉本さんは薬剤師の立場で、これまでオーバードーズ(薬の過剰摂取)や防災ボランティアに取り組んでいます。

「人生をマラソンに考えてみてください。ゴールが見えないなかで力を振り絞って生きるのもありかもしれません。がそれはしんどいです。もし人生が42.195キロとして、ゴールまであと5キロと仮定する。残り5キロをどう生きるかを考えてみてほしいのです。すると生き方が変わるかもしれません」

そう強調し、今回の会の趣旨のひとつとして説明していました。

 

次に、安福寺の大崎さんからミニ講演。「共に生きる 〜場所づくり〜」と題した内容で、これまで取り組んでいる「お寺 de 介護者カフェ」「玉手山安福寺フードパントリー」の説明もまじえ、「諸行無常」「愛別離苦」の言葉を挙げました。

 

縁起でもない話をしよう会

世のすべてのものは移り変わり、永遠に変わらないものはない「諸行無常」、大切な人や大好きな人であっても、いつかは離れなければならない苦しみを意味する「愛別離苦」。

この2つの言葉は人生の節理であるとし、互いを知ることで「支え合う、支えられ合う」ことが大切と説きました。

 

後半は希望者だけ残っての交流会。2つのグループに分かれて「縁起でもない話をしよう会」に。私のいたグループでは、「以前大病にかかってから、人生の考え方が変わった」と吐露された方の言葉があり、個人的に印象に残りました。

今回は発足の趣旨説明の場とあって、アンケートの声も踏まえながら、今後は3カ月に1回くらいの割合で開催していきたいとしています。InstagramなどSNSでも発信していくそうで、関心のある方はぜひチェックしてみてください。

○ 縁起でもない話をしようかい柏原 Instagram
https://www.instagram.com/engi_demo_nai_kashiwara/

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最後にひとりの参加者としての感想を。

発起人である吉本さんが、あいさつの中で好きな番組のひとつに、NHK「最後の講義」のみうらじゅんさんの回を挙げていました。

NHK「最後の講義」 みうらじゅん
https://www.nhk.jp/p/ts/4N7KX1GKN7/episode/te/8LWNZJ12YW/

この回を見たことがなかったので少し調べてみました。サブカル界で著名なみうらさんは、この番組の中で「人生最後に見るといわれる走馬灯」を自分で演出してみようと考えたそうです。

つらい人生が走馬灯のように流れるよりも、華やかに楽しい動画をあらかじめ作っておいて、いざという時にすり替えられるようにしたのです。具体的な内容は割愛しますが、楽しくで笑える、自分自身の人生の動画をまとめたのだそうです。

 

空港にて

実は、筆者は父代わりだった叔父を6月に亡くし、前日の26日までの2日間、大阪を不在にしていました。告別式にも出られなかった自分を責めながら、この1か月を過ごしてきました。

会の前日、偶然にも親族宅で先の「走馬灯のような動画」を見せていただきました。告別式会場に参列した人に向けて作られたそうで、叔父のこれまでの人生を振り返る内容でした。

知っている姿、知らなかった姿がそこにはありました。心残りはあったでしょうが、病にたたかいながらも自分自身の時間をしっかり生きてきたんだろう、と感じて帰阪しました。

筆者も50代のええ歳です。これからを楽しく生きるにはを考えるようになりました。悔やんでも過去は戻らない。次の未来とともに、自分の人生をどう終えるか、どう残していくか、縁起でもない話を考えながら、これからの時間を過ごそうと考えているところです。

常に前向きで生きるのは、なかなか難しいのでですが(汗)