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多様な人の関わりでこれからも。「100年つむぐ葡萄とワインの記念祭」

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭

100年の歴史ある大阪のぶどう産業。最近は良質なぶどうをつくる若い世代も現れていますが、それでも高齢化や耕作放棄地の課題は続いています。

かしわらイイネットでは、昨年夏、大阪府アグリパートナー制度の企業ボランティアや、農福連携(農業と福祉のマッチング)によるぶどうの収穫を取材しました。

 

つむぐワイン
さまざまな人の関わりで「100年つむぐワイン」が完成。リユース瓶を使用 柏原市のぶどう畑で、企業や福祉事業所などが収穫作業に携わって醸造されたワインが、このたび完成しました。その名は「100年つむぐワ...

 

収穫されたぶどうからワインが醸造された流れを実際に見ていただき、今後につなげようと、4月22日〜24日に「100年つむぐ葡萄とワインの記念祭」を開きました。

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭

 

主催はかしわらイイネット。カタシモワインフード株式会社に会場を構え、大阪で福祉事業所のサポートを行う一般社団法人エル・チャレンジ福祉事業振興機構の協力を得ました。(後援:大阪府 柏原市)

初日は展示のみ、2日目・3日目はブースやガイドツアーも併設しての開催。

写真展では、八尾市にある新田ゼラチン株式会社、日本たばこ産業大阪支社八尾支店(当時)の収穫、福祉事業所では富田林市の「わくわく富田林」の就労の模様を、それぞれB1版のパネルで展示しました。

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭

 

収穫されたぶどう(デラウェア)から醸造されたのが「つむぐワイン」。462本の限定で、リユース(再利用)瓶を使用しています。

そのラベルの背景には、福祉事業所から応募のあった作品が採用されました。横幅180cm、縦80cmほどの現物を展示。

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲「つむぐワイン」のラベル背景に採用された作品は現物を展示。連綿と続く人の顔が和紙に描かれている

 

選ばれなかった作品にも個性豊かな絵画・イラストがあり、採用に至らなかった45作品も、この機会に展示。

カタシモワインフード株式会社からは会場を無償提供していただき、一般社団法人エル・チャレンジ福祉事業振興機構には作品の取りまとめを行なっていただきました。

「色の重なりにどのような技法を使っているんだろう」「細かくびっしり描かれていてびっくりした」「部屋に飾りたい」

来場者からはそのような声が聞かれました。

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲古民家の雰囲気とともに展示を

 

 

2日目・3日目はカフェブースや物販ブースも併設し、来場者が楽しめるような企画に。

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲カフェバーの会場は、柏原市の障害福祉サービス夢工房くるみと羽曳野市のHAPIBAR(ハピバール)が担当

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲夢工房くるみ(KURUMI no MORI)では、この日のために「柏原ワインパウンド」や「おつまみクッキー」を。ゆずシフォンには岡村製油株式会社の綿実油を使用

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲羽曳野市のHAPIBAR(ハピバール)では、利用者がつくる陶器が人気

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲カタシモワイナリー のワインやぶどうジュース

 

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▲ベーカリーのスワーハでは、ワインに合うパンセット(フーガス、ごぼうサラダ、マカダミアンナッツのプチ・バゲット、エビバター、ブルーベリークリームチーズのベーグルサンド)を

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲うどん山川国分店はうどんでなく、この日のためにオードブルセットを

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲タマルメガネテンではコットンを使用した天然素材でアクセサリー。またペットボトルを再利用したサングラスやケースも販売

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲法善寺のパティスリーアンジュブランは「柏原ワインカステラ」や柏原産はちみつを使用した「柏原マドレーヌ」など

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲うまいもん南部屋の「パティスリーOKOME」は米粉を使う。こちらもワインやぶどう素材で当日限定のスイーツを

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲イエロー・ライン・プロジェクトではぶどうの枝を使ったアート作品も展示

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲布の再利用で作品づくりを行う「くるくる布リユースクラブ」でもぶどうを目印に(写真中央)

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲リユース瓶の呼びかけを行う「Rびんプロジェクト」で瓶の回収も

 

かしわらイイネットのブースでは協賛団体から提供のあった「かしわらもん」商品やリーフレットを設置しました。

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▲岡村製油株式会社の綿実油や柏原ぶどうドレッシング

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲山国ぶどう園のレアな「日本蜜蜂のはちみつ」

 

100年つむぐ葡萄とワインの記念祭
▲ぶどうがデザインのチタン製ミニチュアマンホール(株式会社ヤスオカ)。ぶどう直売所マップも次々に手にする人続出。

 

さらに両日ともに「ワイナリー古民家+大阪ぶどうとワインの歴史ガイド」も実施。

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カタシモワイナリー(23日は高井麻記子さん、24日はレオさん)のガイドで、ワイナリー古民家と、大阪ぶどうの歴史、ワインづくりの工程を説明していただきました。 2日とも満員御礼。

 

最終日はあいにくの雨天となりましたが、トータルでのべ300人余りの来場者があり、それぞれの楽しみ方で農業・福祉・環境の課題を考え、アートの世界にも触れていただきました。

コロナ禍での開催に難しい運営を余儀なくされましたが、協賛のカタシモワインフード株式会社様、細部までサポートをいただいた一般社団法人エル・チャレンジ福祉事業振興機構様、各出店者や来場者の皆様、連携面では「かしわらピクニック」「をかしわらマルシェ」様、まち歩きツアー同時開催のGuest House Bed&Bicycle様 など、多くのご協力をいただきました。

あらためてありがとうございました。