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デザインやアートで学内の植物を楽しく再発見。「みちくさギャラリー」

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」

3年ぶりに対面で行われた大阪教育大学の神霜祭。今年は「彩(いろどり)」をテーマとした学園祭で、11月2日~4日に行われました。学生の皆さんがさまざまなステージやブースで企画を彩るなか、植物のイラストで飾られたブースを発見。

ブースのなかにガチャ(カプセルトイ)置かれていました。ただし、これを回すにはルールがあるようです。

担当の学生の方に伺うと、まずスマートフォンであらかじめ用意されたスタンプラリーサイトを開き、

「これで学内の植物を見回って、専用のQRコードをカメラで読み取ってきてください」

とのこと。スタンプが5つ集まったらガチャが回せるのです。

 

企画のタイトルは「みちくさギャラリー」。

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」
▲参加者に配布されたリーフレット。学内にある植物やポイントがマップで示され、学生の作品一覧も掲載

 

「柏原キャンパス植物再発見プロジェクト」というサブタイトルもつけられていました。大阪教育大学キャンパス内には多くの種類の木々が植えられています。学園祭を周りながら、学内の植物を探し出してほしい、という企画。

手渡されたリーフレットに添付されたマップをたよりにさっそく歩いてみました。

他のブースも見物しながら、イチョウやハナミズキ、トサミズキなどの木々を発見。

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」
▲マップに記載されたポイントを探しあてる

 

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」
▲「この樹木の名は?」の左横にQRコードを発見。スマホをかざしてスタンプラリーサイトで読み込む

 

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」
▲「とさみずき」と教わる。スタンプを押せば1つクリア

 

このようにしてキャンパス内を散策します。自然に触れるきっかけと動線ができているように感じました。学園祭をめぐりつつ植物を探す「みちくさ」というネーミングも飲み込めた気がします。

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」
▲「みちくさ」してたらトトロが並べたようなどんぐりも見つけた

 

スタンプを5つ集めるとブースへ戻ってガチャを回す資格が得られます。

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」
▲ガチャを回すと当たるのは?

ガチャでもらえる景品は、リーフレットに掲載されていた植物にちなんだ作品。学生の皆さんによるものです。

デザインされたブローチやキーホルダー、イラストなど、独自の感性で趣向をこらし、作られていました。キャンパスの植物とともにアートギャラリーがそこにあったのです。

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」 デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」
▲ガチャで植物をテーマとしたさまざまな作品。これらがガチャで当たる仕組み

 

担当した皆さんは、同学の教育協働学科芸術表現専攻美術表現コースの有志5人。この企画は大学の学生プロデュース企画として採用されたものです。

まず「植物図鑑」をつくるという案が決まり、そこから

「参加者にキャンパス内の植物にどう興味を持ってもらうか、美術表現コースの良さをどう活かすか」

この2つのテーマで議論し、企画をブラッシュアップしていきました。

デザインやアートで学内の植物を楽しく散策。「みちくさギャラリー」
▲色づいていたイチョウの木。詳しい案内板が随所に

 

大阪教育大学柏原キャンパスには、平成17年に「グリーンアドベンチャー常設コース」が設置され、案内板から植物の知識を得る仕組みはすでに作られていました。今回はそれと異なる形で柏原キャンパスの植物を楽しく学んでもらう方法を考案したそうです。

柏原キャンパスに多数ある植物から厳選し、限られたメンバーで夜遅くまで準備作業。リーフレットやポスター、景品となる作品を完成させました。

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▲制作した作品の一覧

 

ラリーの参加者からは

「いろんな植物に触れられ、名前を知ることができた」

「パンフレットのデザインや景品が素敵」

「楽しく大学内を散策することができた」

など、植物を楽しく学ぶ仕掛けや、グラフィックデザインやアートの表現にも関心の声が寄せられました。

さらに、神霜祭の全ブースから選ばれる「D-1グランプリ」を、飲食以外のブース部門で受賞。メンバーの皆さんにとっては想定外の出来事でした。

「チームで一つの企画を作り上げた達成感、スタンプラリーの運営を通して得た知識を、今後の制作に活かしていきたいです」

との感想を学生の皆さんからいただきました。皆さんにとっても将来へ向け、意義ある機会となったようですね。

下記のリンク先には制作に至るまでの経緯も掲載されていますので、あわせてご覧ください。

※写真の一部を学生の皆さんから提供いただき、ヒアリングした内容をもとに記事を構成しました。ご協力ありがとうございました。